高千穂神社で建国記念日 紀元祭

高千穂神社で建国記念日 紀元祭

厳かな雰囲気で行われた紀元祭(奄美市、高千穂神社)

市民集会で講演した矢野さん

奉祝式典と反対集会
改憲軍事化反対訴え

「建国記念の日」の11日、各地で建国奉祝の行事が開催された一方、紀元節の復活反対を掲げ、国の在り方などを考える集会などがあった。奄美でも建国を祝う式典、反対集会がそれぞれ開かれた。

奄美大島では、奄美市名瀬の高千穂神社(黒木正和宮司)、瀬戸内町の古仁屋高千穂神社で「紀元祭」が斎行された。

紀元祭は、日本書紀より初代神武天皇の即位と建国を祝うもので神社の祭典では中祭にあたる。国の発展を願い紀元節として1872年制定。第二次世界大戦後に廃止されたが、1966年に「建国記念の日」と名称を変え、再び制定された。

平成最後の祭典に名瀬の同神社では氏子や市民など約20人が参列。厳かな雰囲気の中、拝殿で式典がいとなまれた。茂木幸生さんが島唄を奉楽、同社拝殿で行われた神事に続き、紀元節唱和や氏子らが玉串を捧げた後、橿原宮(奈良県)に向かい遥拝。全員で君が代を斉唱し、建国を祝った。

黒木宮司は「国民として建国を祝い、行事の持つ意味をこれからも伝えていくことが大切」と呼び掛けた。
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一方、軍国主義の復権につながるとして、「奄美ブロック護憲平和フォーラム」(関誠之代表)は、紀元節の復活反対集会を例年開催。同日、同市名瀬の九州労働金庫大島支店会議室で「思想・信教の自由を守る地区集会」を開き、行政職員や教職員、企業の労組関係者、一般市民など約30人が参加した。

集会では「新聞うずみ火」=大阪=代表の矢野宏さんが「憲法九条・安倍、自衛隊明記を問う」を講演。改悪とする、▽九条への自衛隊明記▽緊急事態条項の創設―の危険性を解説した。

集団的自衛権の意図として、米軍に同調した戦争加担を指摘。また緊急事態時に、内閣の権力行使が国民の自由を制限する可能性に言及した。

安倍政権の改憲姿勢を強行的と断罪する矢野さん。戦前のドイツのナチス党になぞらえ「合法的な独裁確立に着々と進んでいる」と危惧。あらためて憲法改正の危うさを強調し、「小異を置き大同につく論理で、沖縄に学びながら連帯した阻止の力が重要」と参加者に訴えた。