英語図書のドネーション活動

ショースタク夫妻に図書を寄贈する原さん(写真右)

「アマミ・イングリッシュ・ライブラリ」無料開放
市民が提供第一号

 「子どもたちが英語に触れる機会になってほしい」――。インバウンド(訪日外国人観光客)の増加が見込まれている奄美で、英会話教室を経営する夫妻が幼児期の英語学習につなげようと、英語図書の無償寄贈(ドネーション)に取り組んでいる。この活動に奄美市内の市民の一人が賛同。このほど英語図書を約20冊寄贈した。

 大和村今里に住み、同市入舟町で英会話教室「SLS」を経営する米国出身のショースタク・ティムさん(29)と妻・幸子さん=同市住用町市出身=(40)。夫妻は、昨年から英語の図書や絵本のドネーション活動を開始し、SNSや島ラジオ「あまみエフエムディ!」などで呼び掛けた。

 活動を聞きつけ、市内の団体職員・原絵莉さん(37)が自身での購入や教材、知人からもらった分を合わせ、幼児向けの絵本やCD入り図書など21冊を同教室に持参。提供第1号として、夫妻に図書を手渡した。

 今回の寄贈は、米国内で販売される幼児向け絵本の定番「ドクタースース」、人気小説ハリーポッターシリーズなど。現地で10㌦以下の図書も、国内の店頭に並ぶと価格は数倍になるという。

 英語塾勤務や海外留学の経験があり、英語本(原書)を所蔵する原さんは趣旨に理解を示し、「幼児から大人まで英語に親しむきっかけにつながってほしい」と話した。

 夫妻は幼児向け図書について、「わかりやすい文法や単語が並び、入門書としては最適」。その一方で、海外図書は高価なことと、手に入りにくい点がネックとなっている点を指摘する。

 英会話教室は通り沿いにあり、「アマミ・イングリッシュ・ライブラリ(奄美英語文庫)」として、室内の一部を無料開放する予定。本を収める本棚は今里在住の元井健吾さん(71)の手作り。夫婦の取り組みに協力を申し出たという。

 「昔の自分のように、英語を学びたくても、勉強方法や発音の仕方がわからなくて習得をあきらめた若い世代も多い。まずは英語を話す楽しさからスタートしてみては」と幸子さん。今後も提供を呼びかけ、寄贈本の貸し出しなどを行う考えだ。

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