奄美市社協・養成講座開講

鹿屋市の有償ボランティアの事例を講演した齋藤さん

助け合いが活動の原則
有償ボランティア事例学び活動意欲

 奄美市社会福祉協議会は14日、同市名瀬の奄美文化センター会議室で2018年度「まちも自分もいきいきボランティア養成講座(全4回)」の第1回講座を開いた。講師から県内の有償ボランティアの事例を学び、ボランティア活動への参加意欲を高めた。質疑では事故が起きた場合の連絡体制などの質問が出された。講座は22日まで。

 開会で市社協の松原昇司事務局長があいさつ。「シマには結=ゆい=の精神があり、防災ボランティアも浸透している。有償ボランティアの事例を聞き、地域社会がより良い方向に進んで行けばと思う」と話した。

 続いて市社協地域福祉課の山田隆之課長が、オリエンテーションで講座目的など解説。鹿屋市のNPO法人 隣の会代表で市生活支援整備アドバイザー・齋藤鈴子さん(66)が、有償ボランティアに関する講話を行った。

 鹿屋市は大隅半島の中央にあり、人口10万3608人(2015年国勢調査)。国立の体育大学があり、日本一となった和牛の産地などと紹介された。

 齋藤さんは、鹿屋市で最初に始められた「泉ヶ丘きばいもんそ会」の概要を説明。「15年に町内会の中で、独居高齢者の孤独死が発生。それがきっかけで、見守りを行う活動がスタート。17年に全戸アンケートを実施し、有償ボランティアの要望が多いことが判明した」と同会の開設の経緯を語った。

 有償ボランティアを始める上で、▽住民の理解▽資金面▽支援内容―に苦労したことを報告。同会では、30分ほどのお手伝い(掃除、裁縫など)は300円、1時間程度のお手伝い(庭仕事、病院付き添いなど)では600円と支援内容・料金を定めている。

 有償ボランティアを利用する場合は、事前に会への登録とたすけあい券の購入が必要。18年5月20日現在、登録人数8人で支援者15人。支援者の中で、小学5年生の男子1人も活動しているという。

 休憩をはさみ質疑応答。受講者から有償ボランティアの支援活動と、ケアプランやケアマネジャーとの関係性などの質問が行われ、齋藤さんは「助け合いが原則で、簡易な活動が対象となる」と回答した。