住用町内の受信エリア拡大

住用町内の受信エリア拡大

ラジオのスイッチを入れてFM放送の受信を確認する住民(川内生活館内)

「ラジオが聴けた」
あまみエフエム 住民から喜びの声

 地形的な要因から、奄美市コミュニティーラジオ「あまみエフエム ディ!ウェイヴ」(77・7メガヘルツ)の難聴地域となっていた同市住用町の一部がこのほど、中継局の新設により難聴が解消された。住民からは災害情報だけでなく、天気や交通情報など生活情報が聴ける“島ラジオ”の受信環境が整ったとして、喜びの声が出ている。

 町内でのFM放送の送信はこれまで名瀬送信所から住用中継局でカバー。その一方、東部(城、見里、東中間、摺勝、川内)エリアの約320世帯が難聴となっていた。2010年の奄美豪雨を教訓に、住民から解消を求める声が出ていた。

 新しい中継局は東城地区に設置。同市の2018年度防災関連施設整備事業(あまみFM東城中継新設および既設同FM住用中継局強靭化)を活用したもの。今年1月末から送信開始したという。

 それを記念して、あまみエフエムは17日、川内集落(70世帯136人)の生活館でチャンネル設定やリクエストの方法を案内。住民の南ゆき子さん(85)と前田静代さん(63)がスタッフの説明で周波数を合わせ、ラジオ放送に耳を傾けた。

 あまみエフエムはこの日、同町摺勝での「住用たんかんまつり」会場内に放送ブースを設け、にぎわいを生放送。その番組中、川内集落と中継して地域の難聴解消を伝えた。

 ラジオパーソナリティーの呼び掛けに南さんは「ラジオから島口と島唄が聴こえてきて楽しい。家ではずっとスイッチを入れます」と話し、新民謡「島の宝」をリクエスト。流れてくる曲に満足そうに聴き入った。

 同市住用総合支所は「町内の難聴はおおむね解消された」とし、住民に緊急情報や地域情報入手などでの活用を呼び掛けている。

 同ラジオ放送制作部の渡陽子さんは「放送エリアが広がり、今後も多くの住民に楽しんでもらえる番組づくりに努めたい」と話した。