徳之島キビ

生産見込み量を大幅に下方修正し、糖度低迷も続く徳之島のサトウキビ=20日、南西糖業㈱伊仙工場

下方修正で15万㌧台割れ予想
糖度も低迷 台風と「管理不足」指摘も

 【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部の運営企画委員会が20日、伊仙町農業支援センターであった。12月20日以降の南西糖業㈱2工場の製糖状況(18日現在)から試算した同島の今期キビ生産見込み量は14万9500㌧、当初見込み比マイナス1万4044㌧を下方修正。買い入れ糖度も平均12・47度と過去10年の〝ワースト2〟に低迷。台風被害に加え、「栽培管理不足」の指摘もあった。

 県や3町農政、JA、南西糖業㈱の各代表ら20人が出席。南西糖業側の製糖状況報告によると、当初生産見込み量16万3544㌧=11月1日現在=に対するこれまでの搬入量は7万7204㌧。同実績からみた今期のキビ生産見込み量は1万4044㌧減の14万9500㌧へ大幅な下方修正を余儀なくされた。

 買い入れ糖度も予想に反して平均12・47度(70・6%が基準糖度以下)に低迷。過去最低(品質取引開始後)を記録した前期(2017/18年期)実績の11・88度こそ0・59度上回ったが、過去10年ではそれに次ぐ〝ワースト2〟。台風被害に加え、このところの「日照不足」も影響しているという。

 生産見込み量の大幅な下方修正を余儀なくされた最大の要因は昨秋の台風24、25号だが、「台風に加えて(株出しなど栽培)管理作業の差が表れている」。その背景に「高齢化・労力不足が深刻化している気がする」と地域農業を取り巻く構造的問題を指摘する声も。

 来期生産量に影響する春植えの推進は、「例年に比べて早期植え付けが進んでいる」と期待。天城町側からは来月の「キビの日」を中心とした春植え推進期間(6日~12日、工場搬入休止)の前後1日ずつの延長を求める要望もあった。

 ほか、メリクローン苗・一芽苗出荷実績(推進機構)、先進地視察などについても協議した。