地域と協働で外来種駆除

環境省職員らが住民との協働でアメリカハマグルマなどの外来植物を駆除した

集落清掃活動で講話後に
環境省、宇検村で

 環境省奄美自然保護官事務所は24日、宇検村の石良集落で外来種駆除活動イベントを開いた。同集落の月1回の清掃活動として行われ、参加者は世界自然遺産の講話の後に、実際に野外で外来植物を駆除する一石二鳥の活動に汗を流した。

 同事務所が宇検村役場の協力で、住民との協働での外来種駆除を企画。同事務所の千葉康人上席自然保護官によると、奄美大島でこうした協働イベントは、初になるという。

 石良公民館に約40人が道具を持参し、作業のできる姿で集合。奄美自然学校の永江直志代表が、「世界自然遺産とカレーライスのお話」を講話した。

 続いて千葉さんとアクティブレンジャーの牧野孝俊さんが、スライド資料で外来植物の識別と駆除方法などを解説。牧野さんは「全部をすぐに駆除するのは難しい。地道な駆除と観察を行うことが必要」と話した。

 参加者は、公民館から外来植物の繁茂する地点に移動。千葉さんたちがアメリカハマグルマ(緊急対策外来生物)、ムラサキカッコウアザミ(総合対策外来生物)、センダングサ(同)の実物を参加者に示して、根を切らないように引き抜く駆除を行った。

 引き抜いた外来種は土を落として、45㍑入りごみ袋に入れて回収。約1時間の作業で24袋が集められ、名瀬クリーンセンターに搬入した。

 作業に参加した田検小5年の山下大地君(10)は、「外来種を初めて知った。根から抜くのがきつかったが、こういう活動があれば今後も参加して駆除する努力を続けて行きたい」と話した。

 千葉さんは「集落内にはびこっている実物を見てもらい、引き抜いてもらった。行政だけではなかなか全体は難しいので、地域のみなさんと協働で(在来種を)保護して行きたい」と語った。

 同集落の福山克哉区長(52)は、「多くに集まってもらい、いい作業ができた。身近にある外来種を知ることができた」と振り返った。