ほ場めぐり栽培工夫共有

視察先ほ場のハウス内で、栽培の工夫などを語り合う研修参加者ら

パッションフルーツK―GAP推進部会研修
奄美市

 奄美市パッションフルーツK―GAP推進部会(西盛満会長、会員17人)は27日、同市笠利町・名瀬の生産農家らのほ場を視察する研修会を開いた。ほ場をめぐり、土地ごとの特性や、栽培の工夫などの情報を共有した。

 同市内のパッションフルーツ栽培農家は2017年で55戸。栽培面積は6・4㌶で、生産数は94・5㌧だった(18年度未集計)。15年には、同部会が県の「かごしまの農林水産物認証制度(K―GAP)」を取得している。

 同部会による研修は今回が初めてで、会員からの要望を受け実施。この日は同部会から9人、そのほかの生産者や市職員など計26人が参加した。

 午前中に同市笠利町、午後からは同市名瀬の計6ほ場を見学。栽培農家が、昨年の台風24号接近時のハウスへの被害、施肥の時期や種類などを発表。「ハダニやカイガラムシなどの病害虫への対策方法は」、「販売経路は」など熱心に質問を投げかける参加者らの姿も見られた。

 同市笠利町宇宿でほ場を営む渋谷丹さんは、受粉にマルハナバチを用いていることを紹介。「精神的な労力は楽になるが、花がらを取る作業はしなければいけない」と注意点を説明するなどした。

 西会長(49)は「Iターン者の農家もおり、意欲や研究熱心さを感じたので、今後も要望があれば研修を実施したい。奄美は日本一の産地。K―GAPへの関心を高め、有利販売につながれば」と語った。

 奄美市名瀬の森永幸次郎さん(37)は「遠方のほ場を見る機会は少ない。個人個人のやり方があり、参考になった」と話した。