旅行者、利用ルールに賛同

ガイドツアーの参加者に利用ルールの試行開始を知らせるチラシが配布された

金作原試行開始
「奄美から成功事例を」

 国や県、地元行政機関やガイド団体、観光業者等でつくる「奄美大島利用適正化連絡会議」は27日、奄美市名瀬の金作原で利用ルールの試行を開始した。初日は事前予約のガイド車両6台と、貸切バス2台で計68人が利用した。認定ガイド同行の利用者には、利用ルールの試行を啓発するチラシを配布し周知が図られた。旅行者はルールの試行に賛意を示し、ガイドの説明に満足するなど質の高いエコツアーを体験した。

 金作原は市街地に近く自然体験ができる場所や、世界自然遺産推薦地にもなっていることから来訪者が増加。同会議は利用時の認定ガイド同行や台数制限の利用ルールの試行を決定し、実施前に立て看板を設置するなど周知してきた。

 この日午前中は事前予約した2組のガイドツアーが、ガイド車両で来訪。金作原林道のゲート前では事務局のスタッフ3人から、利用ルールに関するチラシが手渡された。

 同会議事務局によると、啓発チラシは2万枚を用意。今月15~20日にかけて、奄美大島内のレンタカー会社、ホテル業者、奄美空港、名瀬新港、県奄美パークなどに配られたという。

 各認定エコツアーガイドは同乗の参加者を案内して、金作原内の林道を約1時間半かけ自然を解説しながら観察などを行った。

 3泊4日の旅行で訪れた静岡市在住の二ノ宮嘉昭さん(46)は、大河ドラマ「西郷どん」などで興味を抱いて初来島。「本州では見られない自然が体験できた。貴重な自然を残していき、その価値を次世代に伝えていくべきと感じた」と話した。

 ガイド同行の利用ルールの導入についても、二ノ宮さんは「ガイドなしでは、価値を詳しく知れなかっただろう」と賛同。「富士山では、マナーが必要と感じることがある。利用ルールはいい試み。奄美で自然を保護して上手に利用するサクセスストーリーを実現して、世界に発信してもらいたい」と語った。

 利用ルールは当面は終期を定めず実施され、試行動向を確認しながら関係者と意見交換してより実効性あるルールづくりが図られる。