名瀬平田町 10世帯11人がり災

名瀬平田町 10世帯11人がり災

出火から1夜明けた現場。あたりには、すすのにおいがまだ残っていた(28日午前8時半ごろ)

住宅密集地で火災が起こり、真っ赤な炎が立ち込めた(27日午後9時5分ごろ奄美市名瀬平田町)

焼け跡の遺体、行方不明の住民か
アパートと住家1棟全焼

 27日夜、奄美市名瀬平田町の木造2階建て「大山アパート1号棟」から出火し、同アパートと、大山秀一郎さん(46)の木造2階建て住家1棟が全焼した。このほか木造2階建て「大山アパート2号棟」が半焼、木造2階建て住家2棟が部分焼。焼損床面積(速報値)は全半焼と部分焼合計で467・18平方㍍。10世帯11人がり災した。焼け跡から男性2人の遺体が発見された。奄美署は1人について、出火後から行方不明となっている同アパートの住人の吉美隼人さん(38)の可能性が高いとして、身元の確認を進めている。

 火災の発生は午後8時48分ごろ。近隣住民から119番通報を受けた大島地区消防組合名瀬消防署は職員47人、消防団員55人、ポンプ車計6台などで消火活動にあたった。同アパートから南側の大山さん宅に燃え移った火は、風に飛ばされ、周囲の建物を焼いた。消し止められたのは出火から約1時間半後の午後10時16分だった。

 一夜明けた28日には、奄美署と同組合が実況見分を実施。同署は同アパートの2階部分にある吉美さんの部屋がほかの部屋に比べ燃え方が激しかったことや、目撃情報などから、同部屋が出火元とみて捜査している。同部屋の燃え跡から発見された吉美さんのものと思われる遺体と、もう一方の遺体について、吉美さんの交友関係などを調べ身元の特定を急いでいる。

 出火原因は分かっておらず、同署は「出火、失火など、とらわれることなく捜査する」としている。

 り災世帯は次の通り(奄美署発表・敬称略)。

【全焼】▽本房純和=1人(大山アパート1号棟)▽森山峰厚=1人(同)▽俵実=1人(同)▽吉美隼人=1人(同)▽大山眞一郎=1人(同)▽森田安広=1人(同)▽川渕豊広=1人(同)▽大山秀一郎=1人

【部分焼】▽長野れい子=1人1棟▽直野国広=2人1棟