あまみワイルドライフセミナー

ロードキルなどをテーマにその対策を語る浅利さん


奄美にすむコウモリについて話す木元さん

空飛ぶほ乳類、生態や共存探る
ロードキルやコウモリで講話

 環境省奄美野生保護センターと奄美自然体験活動推進協議会は2日、2018年度あまみワイルドライフセミナー「野生動物の交通事故と以外と知らないコウモリのお話」を奄美市名瀬の奄美博物館で開いた。参加者らは、空飛ぶほ乳類とよばれるモモンガやコウモリなどの生態やロードキルの実態を学び、共存を探る話に耳を傾けた。

 セミナーは二部構成で、第一部は、帯広畜産大学特任講師の浅利裕伸さんが「あっ危ない!野生動物との衝突事故問題」をテーマにロードキル対策などを紹介。第二部は、奄美海洋生物研究会・木元侑菜さんが「わっ見つけた!奄美に暮らすコウモリたち」と題し、奄美にすむコウモリの研究成果を報告した。

 浅利さんは、ロードキルが起る原因を「動物は移動ルートを基本的に変えない」と指摘。道路整備などで森が分断され、「同じルートを通ることで事故になる」と述べた。

 対策については、北海道で浅利さんが研究を重ねてきた動物通過のための歩道橋「オーバーパス」を例に調査結果やその効果を解説。すぐできる対策としては「車が速いのが一番の要因。何より減速を」など訴えた。

 続く木元さんは、奄美にすむコウモリの調査を踏まえ、その知見などを紹介。近くにすむにも関わらず、意外と知らないその習性や体の構造などに触れた。

 また、木元さんは世界で5例しかない、スミイロヒキコウモリや未知の種の発見の可能性なども報告。まだまだ奄美では未開の世界に「(目を凝らせば)新しいコウモリの発見につながるかも」など誘った。

 この後参加者らは質疑を行い、はく製などにも触れた。