大河ドラマの苦労明かす

大河ドラマの苦労明かす

講演した原口泉氏=知名町=

知名町公民館講座
原口氏講演 「前田正名と『西郷どん』裏話」

【沖永良部】知名町公民館講座歴史講演会「前田正名と『西郷どん』裏話」(同町教育委員会主催)が3日、同町中央公民館であった。鹿児島県立図書館の原口泉館長が講演。時代考証を担当したNHK大河ドラマ「西郷どん」制作の裏話を明かした。

会場には、100人を超す来場者が詰めかけた。原口氏は「どれだけ史実に近づけるかの1年間だった」と述べ、ドラマの内容と史実を照らし合わせながら西郷隆盛や大久保利通、篤姫などの登場人物について説明した。このほか、ドラマのシーン選びやロケセットに関する苦労話も出た。

講演では、同町正名集落の名前の由来となった前田正名についても触れ「西郷が四民平等の世の中を作ったのは間違いないが、農業による国起こしの思いは前田が引き継いだ。その名前を集落名にした正名集落がある沖永良部島は、高度な営農で欧米に輸出することを目標に農業をしている。その姿は世界の模範になる」と話した。さらに、島の農業振興のためにも「地理的表示が重要であり、質の良さや(他産地との)味の違いをアピールしてほしい」と述べた。