リュウキュウアユ観察学習

人工的にふ化させた幼魚に見入る住用小児童たち

命や環境の大切さ育む
住用小1~3年生

 奄美自然保護協議会ヤジ分会(村田英樹会長)は9日、奄美市の住用小学校(富林弘智校長)の1~3年生を対象に「リュウキュウアユ観察学習」を同町のマングローブパークで行った。児童8人は、地元で産卵し一生を終えるリュウキュウアユの学習や観察を通して、その命や環境、郷土の大切さを育んだ。

 同校では、2006年から環境省レッドリストの絶滅危惧種・リュウキュウアユについて継続的に学んでおり、観察学習はその一環。奄美リュウキュウアユ保全研究会メンバーが協力し、講師や観察案内を務めた。

 講話では、「リュウキュウアユの祖先は地殻変動などで取り残され、奄美で100万年以上に渡って独自に進化しながら生きてきた」など説明。クイズなども交えて、年魚であるリュウキュウアユの一生や行動など、その神秘的な生態を学んだ。

 同パーク内の観察センターでは、人工的にふ化させた幼魚や成魚など生きたリュウキュウアユを実際に観察。水槽をのぞき込んだ児童たちは、「オスだよ、オス」など、学んだばかりの知識を駆使してつぶさに目を凝らした。

 3年・川内蓮斗くんは「大切な魚なので長く守りたいと思った。これまで学んだことは総合的にまとめて、役立てたい」と喜び、学習を見守った村田会長は「この希少な自然や生物を学ぶことで、児童の郷土愛や地域のアピールに少しでもつながれば」と期待を寄せた。