合同企業説明会に9業種

高校生対象に、本土の9業種の人事担当が来島した初の合同企業説明会=13日、樟南第二高校

樟南二高 高校主催は群島初
進路選択考える起爆剤にも
知名町出身者が仲立ち

 【徳之島】樟南第二高校(牧園弘光校長)主催の企業説明会(就職進路ガイダンス)が13日、同校の商業科と工業科1、2年生を対象に同体育館であった。9業種の本土企業の人事担当者らが直接出向き、個々の業務内容や会社の魅力などを熱心に紹介。生徒たちには、現実感を持って進路選択を考える起爆剤ともなった。

 同校では大学・短大・専門学校など上級学校の合同ガイダンスは開いているが、合同企業説明会は初。高卒就職者を取り巻く環境や雇用のあり方が激変する状況下で、社会情勢や業界の内容、仕事を理解すること。進路への職業観を育成するとともに、キャリア教育の一環で企業側の「生」の声を聴くことで意欲・態度を向上させ、適正な勤労観を養うことなどが目的。奄美群島内でも初の取り組みという。

 参加企業は関東・関西・中京・北九州地区の大手・中堅の9社。業種も配送、飲食、美容・理容、建設、介護、アミューズメントなど異業種で編成された。午前中は2年生、午後は1年生を対象に9つのブースを設け、企業側が15分間ずつ熱心に説明して回るローテーション方式で行った。

 生徒たちは日ごろ接する機会がなく、関心も無かった業種の仕事内容についても真剣に耳を傾けた。商業科2年生の米斗師之(としゆき)さん(17)は「就職を考えていたが、何も見えていなかった。どの企業の話も聴けて良かった。入社したいと思える企業があって、だんだん定まってきた。あと半年で、行きたい企業を決めたい」と話した。

 同説明会を仲介したのは、高校の進路指導担当教諭との合同企業説明会「進路相談フォーラム」などを全国展開する㈱プレースメント(本社・大阪市梅田、平良正吉代表取締役=知名町出身)。1964年度に沖永良部高を卒業した平良氏(74)は「当時は本土からの求人もなく、就職に関しては非常に寂しい思いをした。いつの間にか、それ(高校生の採用・求人サポート)が事業になっていた」と述懐。高校生たちには「会社の状況を理解していただいて、自分の進路に明確な目標を持って頑張って欲しい」と願った。

 学校側は「離島では、本土に会社説明を受けに行くとなると、学校を休まざるを得ない上に、旅行費用の負担も大きい。来年も継続できて島内の公立高校生ら希望者や、保護者同伴参加などにも広げていければと思う」(進路指導部・吉見淳教諭)と話していた。