市景観計画、19年度内運用へ

市景観計画、19年度内運用へ

第3回奄美市景観計画策定委員会があり、策定に向けた意見交換が行われた

第3回策定委員会 素案意見交換、5月に策定

 第3回奄美市景観計画策定委員会(木方十根委員長・鹿児島大学大学院教授、委員15人)が19日、市役所であった。自然・ひと・文化が織りなす魅力ある景観を理想の将来像に掲げている、同計画素案を共有し、計画策定にあたり、盛り込むべき事項などについて意見交換。世界自然遺産登録も見据えた留意点、市街地の形成に関する提案などの意見が上がった。5月に策定し、2019年度中に条例も制定して、同計画に基づく運用を年度内に開始することを目指す。

 同計画では、全市を景観形成の対象地域に挙げ、中でも特に重点的に景観形成を進める区域を「重点景観計画区域」に指定。名瀬市街地をその区域に設定しているほか、内海周辺、赤木名地区についても重点区域の候補地に挙げている。

 重点計画区域では、建築物・工作物の建設等、開発行為、木竹の伐採など複数の行為を行う際に届け出が必要。またそれ以外の一般景観計画区域においても、対象規模は異なるものの、同様に届け出対象の行為があり、良好な景観形成のための制限が設けられている。

 景観形成のなかで、重要建造物や樹木、公共施設について、必要に応じて景観法に基づいて、「景観重要建造物」、「景観重要樹木」として指定することができる。

 市のシンボルにもなっている、街路樹などには外来種も含まれ、「景観重要樹木」の指定が想定されることと関連し、世界自然遺産登録を見据えた点から「重要樹木の指定に至った背景などを説明できる人を会議のメンバーに加えてもらいたい」などと指摘する要望があった。

 重点計画区域に含まれ、現在整備の進むマリンタウン地区に関する意見が上がり、「電柱をなくした街から景観づくりを進めてはどうか」などの提案もあった。

 今後の日程としては、4月に計画案のパブリックコメントを募集。5月ごろに景観法に基づく意見聴取も含め、奄美市都市計画審議会を開催し、その後計画を策定。19年度中に景観条例を制定し、計画の運用開始を目指すとしている。