徳之島の味と音楽堪能

知事と3町長と笑顔で記念撮影する関係者たち


左から関東徳州会幹事長・保岡達也さん、高橋真紀さん、徳洲会青年部会総務・上田末人さん


行列を作ったキッチンカーの色は、奄美の原生林をイメージしている


久保綾子さんのキッチンカーで作られて好評だった「奄美風スペアリブとハンダマコロッケ」


好天に恵まれ2万人以上が訪れた会場の様子

過去最大の2万人来場、盛り上がる
「とくの島観光物産フェアin東京」

 【東京】東京に徳之島から春が届いた――。「第7回”とくの島”観光・物産フェアin東京」がこのほど、代々木公園イベント広場で、関東徳州会(徳之島三町郷友会)の主催で開かれた。「春の風物詩」ともなっているビッグイベントには、関東近郊から過去最大規模2万人以上の人たちが駆け付け、徳之島の味と音楽を堪能していた。

 春を感じさせる陽気の下、今年もたくさんの人が、タンカンやその名も「春一番」のジャガイモ、そして徳之島の味を求めて集った。今回初めて来賓として訪れた三反園訓県知事は、「徳之島がそのまま東京へ来たようだ。このイベントを知ってはいたが、熱気に驚いている」と語り、「世界自然遺産登録を目指し、一緒に頑張りましょう」と締めくくり大きな拍手を浴びていた。

 徳之島からは、3町長がそろって参加。それぞれあいさつした。ジャガイモは過去最大規模約5㌧、タンカンも2㌧用意されたが、昼過ぎには売り切れるほど例年通りの人気となった。「ミスたんかん(自称)」として手伝っていたのは、神奈川県出身の高橋真紀さん。プロ野球の横浜DeNAベイスターズのファンから奄美群島の存在を知り「3年前に屋仁川=やんご=で島にはまってしまい、昨年は、お客の一人として参加しましたが、今年はもてなす側ですよ」と笑顔で応対していた。

 一方、ステージでは禎一馬、井成実、ゴッチら徳之島出身のアーティストが、観客一体となるパフォーマンスを披露、終始熱いステージを展開した。

 徳之島の味を提供する多くの屋台の中で、奮闘していたのが東京では珍しい「鶏飯」と「スペアリブとハンダマコロッケ」を提供した2台のキッチンカー。鶏飯は奄美大島小宿出身の喜入陽明さんと愛実さんの30代の夫婦が運営している、その名も「Tumugu Amami(つむぐ・あまみ)」だ。和食店で修業をした陽明さんが、「食で紡ぐ、島と繋ぐ」をコンセプトに昨年8月から、東京・神奈川を中心に活動しているという。この日は、「鶏飯が250食売れました」と満足そうに話していた。

 また、その隣で「ハンダマコロッケ」などを出店した久保綾子さんは、奄美二世で、店の名前も「MISHORE」(みしょれ)。いつもは九段下や港区などのビジネス街で昼食メニューとして奄美風スペアリブランチなどで「奄美の魅力をどうぞ」と走り回っているが、特別メニューでハンダマコロッケを作り、大忙しだった。「父と二人でやる予定の奄美料理のお店でしたが一人で頑張っています」と明るい笑顔を振りまいていた。

 同イベントは、東日本大震災の際に関東徳州会青年部が被災地支援を島の生産者に呼び掛け、新じゃが「春一番」20㌧が無償で提供されたことなどがきっかけ。年々盛り上がりを見せている。