加計呂麻間に海底光ケーブル

加計呂麻間に海底光ケーブル

瀬戸内町は19年度中に奄美大島と加計呂麻島を隔てる大島海峡に海底光ケーブルの敷設を計画している(資料写真)

 

19年度中敷設、「光化への第一歩」
通信安定化 情報格差是正へ

 

 瀬戸内町は2019年度中に、奄美大島側と同町加計呂麻島間の海底光ケーブルの敷設を計画している。敷設により、移動通信システムの安定化、町内離島の情報格差の是正につながる見込み。町企画課は「ケーブルの敷設は光化への第一歩。土台ができれば島内FTTH(家庭用光回線サービス)化を目指す」としている。

 同町のインターネット通信環境は、奄美大島側ではほとんどの集落で超高速光ブロードバンドサービスが整備されているが、加計呂麻島・請島・与路島では公設民営方式によるADSL(非対称デジタル加入者線)環境となっている。3島の移動通信システムについては奄美大島側から発信される電波を利用するため、不安定な状態が続く。20年には使用しているADSLサービスの契約終了、23年にはNTT西日本によるADSLサービス終了を迎えるため、早急な光通信の導入が求められている。

 町の計画によると、事業は総務省の「携帯電話等エリア整備事業」補助金を活用し実施予定。町は同事業委託費として19年度一般会計当初予算に10億円を計上。国からの補助率は80%で、4月上旬から事業に着手する予定という。

 海底光ケーブルは2本敷設される予定。奄美大島側の事業者管鈍収容局から加計呂麻側の同木慈収容局までの約14・3㌔(うち海底約5・3㌔)のルートと、同瀬戸内収容局(古仁屋)から清水を経由し、同勝能収容局を結ぶ約13・2㌔(うち海底約4・2㌔)の2ルートを計画している。

 敷設により、加計呂麻島、請島、与路島の携帯電話キャリアの通信状況の改善、教育や医療現場でのICT(情報通信技術)導入の足掛かりとなることが見込まれる。19年度施政方針の中で、鎌田愛人町長は「光ケーブル整備により本島(奄美大島)側との情報格差の解消に努めていく。観光客などからのニーズが高まっており、災害時の効果的な通信手段として有効」と説明した。