恩返しリサイタル

西川さんと息の合った連弾を披露した松元さん(手前)

ピアノ演奏を披露
医学生の松元さん

 ピアノの全国コンクールで優勝経験を持つ、奄美市名瀬出身の鹿児島大学医学部6年・松元陸さん(24)が24日、同市名瀬のカトリック名瀬聖心教会で「Gratitude(感謝)~ピアノ・リサイタル」を開いた。卒業を前に「これまで支えてもらった周囲への恩返し」との思いを込め、クラシックや連弾を披露。来場者は全国大会出場の演奏に酔いしれた。

 9歳から習い始めたピアノは高校や大学在学中、「ピティナピアノコンペティション」全国決勝で連弾上級ベスト賞(2009、11、13、17年)などを受賞。高い実績のある松元さんの演奏を味わおうと、この日は約250人が来場した。

 プログラムでは、ドビュッシーの「2つのアラベスク」、前奏曲集第Ⅱ巻より花火のほか、「ミジカ・ナラ」(徳山美奈子)などを演奏。またゲストの西川みらいさん(25)との連弾では「前奏曲とフランス行進曲」(シャブリエ)、「6つの小品より賛歌」(ラフマニノフ)も披露した。会場となった礼拝堂の高い天井でピアノの音色は荘厳さを増し、来場者を芸術の世界に誘った。

 今年の医師国家試験に見事合格した松元さん。4月から、晴れて医師として鹿児島大学病院で勤務する。多忙な日々を前に、「周りへの感謝を形に残したかった。ぜひこの気持ちが届いてもらえたら」と語った。

 名瀬の井原朋子さん(21)は「教会でのクラシック公演は新鮮。特に連弾の演奏に聴き入った」と感動を話した。