希少種の交通事故防止

希少種の交通事故件数表示式の注意看板でアピール(左から沢登管理官と政武文徳之島自然保護協議会長)=2日、徳之島町で

環境省と自然保護協
カウント看板で注意喚起 徳之島

 【徳之島】「希少種の交通事故の発生現状と課題を知って」―。環境省徳之島管理官事務所と徳之島地区自然保護協議会は、アマミノクロウサギとケナガネズミの交通事故多発エリアの道路沿い4カ所に、発生件数カウント表示式の看板を設置。夜光反射材をベースにドライバーの視覚に訴える注意喚起を始めた。

 環境省徳之島管理官事務所によると、同島内の2018年中の希少種の交通事故死(ロードキル)確認件数(匹)は、クロウサギが過去最多の19件と17年中の8件から倍増。今年も3月末現在で早くも17年同数の8件に上っている。

 ほか、ケナガネズミも4件(17年同数)、トクノシマトゲネズミも5件(同年比3件増)。統計のある過去4年間でいずれも最多となった。

 看板はタテ50㌢、ヨコ80㌢、設置高約150㌢。クロウサギとケナガネズミをシルエットにした2種類の計4枚。2日までに徳之島・天城両町道「徳之島トンネル」の両サイド、徳之島町大原の井之川岳登山口の町道、県道・松原―轟木線(同町側)の道路沿いに設置した。

 ほかにパネル型の縮尺版を3町役場と環境省事務所用にも製作。近く掲示して現状をアピールするという。

 環境省同事務所の沢登良馬国立公園管理官(28)は「昨年からクロウサギをはじめ希少種の交通事故が非常に増えていることが、この看板でタイムリーに分かる。看板を見て夜間の交通事故多発区間では気をつけて欲しい。(観光客など)島外から来た方々も島の現状や課題を知って欲しい」と話した。