加計呂麻住民448人が署名

加計呂麻住民448人が署名

要望書を手渡した禱西阿室集落区長

町に白紙撤回求め要望書提出
クルーズ船寄港地誘致

 瀬戸内町が検討するクルーズ船寄港地誘致に関して5日朝、同町加計呂麻島の住民約15人が同町役場を訪れ、鎌田愛人町長に宛てた「西古見集落池堂地区への『大型クルーズ船寄港地誘致』計画の白紙撤回の要望書」を提出した。禱昭哲西阿室集落区長(71)が同島住民448人の署名が入った要望書を提出し、「加計呂麻から見て西古見は目と鼻の先。熟慮し白紙撤回を希望する」と訴えた。

 同島諸鈍の観光ガイド・寺本薫子さん(64)が世話役を務める、「大型クルーズ船問題の加計呂麻学習会」の出席住民らを中心に、署名活動を展開。乗船客の同島流入などを懸念し、島民の約4割にあたる448人分の署名が17集落から寄せられた。

 町は昨年4月、クルーズ船寄港地誘致について、県に提出していた支援要請を取り下げ、同年10月に「同町クルーズ船寄港地検討協議会」を設置。今後の計画は協議会の提言に基づくとしている。

 一方で、寺本さんは今回の「白紙撤回」について、「鎌田町長が『西古見への大型クルーズ船誘致はしない』と断言することを指す」と解釈。古仁屋漁港などの現存施設を用いたクルーズ船寄港誘致などを求めている。

 要望書を受け取った眞地浩明企画課長は、「今のところ計画はなく、実態は白紙。思いはしっかりと受け止め、今後の考えの中に反映したい」と語った。住民から意見があった協議会の内容などのインターネット以外での公開については、「協議会終了後、提言などを公開する予定」とした。