奄振交付金活用FAMトリップ事業

奄振交付金活用FAMトリップ事業

奄美空港で横断幕を掲げ中国人観光客を歓迎する奄美大島観光協会関係者ら

中国北京からの観光誘客成功
3月来島の旅行代理店企画 8人が奄美大島、与論来島

 奄振交付金を活用した観光誘客事業「FAMトリップ」で3月に奄美大島と与論島を視察した中国・北京の旅行代理店が企画したツアー客8人が9日、奄美大島を訪れた。一行は、奄美空港で奄美群島観光物産協会関係者らの歓迎を受けた後、龍郷町の奄美自然観察の森や西郷南洲流たく跡などを観光した。10日まで同島に滞在後、11、12日には与論島を訪れる予定だ。

 ツアーは、今年3月初旬のFAMトリップで来島した北京卓越国際旅行社の徐志宏総経理(54)が、奄美の自然の美しさに魅了され「もう一度奄美に行きたい」と企画。今回訪れた観光客には、経済評論家や大学教授などもいる。

 奄美空港であったセレモニーでは、奄美大島観光協会職員らが横断幕を広げて歓迎、越間得晴会長が「豊かな自然と個性あふれる伝統文化に触れ、奄美の人々と心温まる交流を楽しんでください」とあいさつ。地元の熱烈な歓迎ぶりに、ツアー客も笑顔を見せていた。

 今回、ツアーを企画し、観光客らと一緒に再来島した北京卓越国際旅行社の徐総経理は「3月の旅行は、青く透き通った海と白い砂浜やマングローブ林のカヌー体験など、すべてが素晴らしく楽しかった。絶対に中国人は気に入ると思った。奄美の人たちの歓迎ぶりもとてもうれしい。次回のツアーも計画したい」と笑顔で語った。

 観光誘客事業を推進する同協会の松元英雄統括リーダーは「奄美の良さが伝わった結果で、今後もFAMトリップの取り組みを推進し、外国人観光客の誘客に努めたい」と話し、事業を支援する日本航空(JAL)奄美営業所の栄正行所長も「世界自然遺産登録が実現すれば、奄美を訪れる外国人観光客はさらに増える。今後も、奄美の魅力をより実感してもらえるツアー企画を一緒に考えたい」と話した。

 今回のツアーで、ガイドとして通訳を担当する奄美市福祉事務所中国残留邦人等支援相談員の里岡麗子さん(67)は「奄美の自然はもちろん、シマ唄や大島紬など、伝統芸能や工芸品の素晴らしさも伝えたい。また来てもらえるよう、おもてなしができれば」と話した。