「にっぽん丸」寄港

久々の観光クルーズ船(にっぽん丸)寄港で活気を見せた平土野港=9日、天城町

乗客350人島内ツアー満喫
天城町平土野港

 【徳之島】「春の屋久島・徳之島・沖縄クルーズ」の乗客約350人を乗せたクルーズ船「にっぽん丸」(22、472㌧)が9日朝、約1年半ぶりに天城町平土野港に寄港した。乗客たちは地元側の官民を挙げた歓迎を受け、徳之島名物の闘牛関連や島内1周観光など思い思いのオプショナルツアーで同島を満喫した。

 「にっぽん丸」(乗組員約200人、商船三井客船㈱)の徳之島寄港は2012年7月、12年7月に続き3度目。7日に博多港を発ち8日に屋久島、9日徳之島、10日沖縄本部港まで。世界自然遺産・屋久島の自然や徳之島の闘牛文化・景勝地、やんばる地区の森など、南の島の豊かな自然と文化にもふれ親しむコースだ。

 平土野港には午前8時ごろ入港。岸壁には各種特産品ブース9店が出店。歓迎セレモニーで森田弘光天城町長は「来年夏の世界自然遺産登録が確実になるものと期待。その素晴らしい自然と伝統文化の島を楽しんで欲しい」などPR。乗船客や乗組員代表の小尾達也船長に花束や記念品(夜光貝ランプ)、観光連盟は黒糖をそれぞれ贈って歓迎。

 小尾船長は、安全航海で多くの乗客を案内できた喜びを伝えながら、「この豊かな自然・伝統文芸を身近に感じていただける機会に」。地元への返礼に同船オリジナルの記念品(ノットボード)を贈った。

 乗客らは、大型バス6台やマイクロバス1台、タクシー、レンタカーなどに分乗して「徳之島なくさみ館・犬田布岬」「同島1周」コースなど島内ツアーに出発。新潟県から参加した60代女性の3人組は「一度は豪華客船に乗りたいと参加。徳之島は、泉重千代さんや選挙のことで知っていた」とも。

 島を満喫後の午後5時ごろ、同船は町内の小中高生合同の吹奏楽演奏や地域女性団体連の踊りに見送られ、最終地・本部港へと向かった。

 同町商工水産観光課によると、今月18日の「ぱしふぃっくびいなす」(26、594㌧)を含め今年は計4隻のクルーズ船が寄港予定(同日現在)という。