「重点」道の駅選定受け整備推進協設立

重点「道の駅」奄美大島住用整備推進協議会の第1回会議

道の駅「奄美大島住用」(黒潮の森マングローブパーク)の平面図

インバウンド対応の機能拡充
「世界自然遺産センター」とも連携 マングローブパーク

 『重点「道の駅」』に選ばれた奄美市の道の駅「奄美大島住用」(黒潮の森マングローブパーク)の整備方針を話し合う整備推進協議会の第1回会議が12日、市役所であり、有識者や行政機関の代表らで組織する協議会を設立した。会議では、インバウンド(外国人観光客)対応の機能拡充とともに、環境省が道の駅敷地内に建設予定の「世界自然遺産センター」と連携した整備方針が示された。

 国交省や環境省、県、市の代表ら17人を委員に選任。会長には奄美市の東美佐夫副市長が選ばれた。整備計画については、協議会内にワーキングチームを設置、来年3月までに3回程度の話し合いを設け、具体的な年次計画などを作成することにしている。

 まず、事務局が重点「道の駅」の選定を受けた際、国に提案した企画概要を説明。2019年度は、外国語スタッフの雇用や通訳案内士の育成、免税店の併設と外国発行クレジットカードの電子決済対応など外国人観光客のための機能拡充を図るほか、リュウキュウアユの観察会やマングローブ原生林の保護啓発活動など世界自然遺産登録を見据えた取り組みを推進。20年度以降に世界自然遺産センターと連携したミュージアム整備を計画、既存施設の大幅改修などを含めた整備案について協議していく方針を示した。

 協議会では、委員から英語だけでなく中国語や韓国語など多言語対応の必要性が指摘されたほか、観光拠点としての機能だけでなく防災や子育て支援にも配慮した整備を求める声や「地元住民の意聞く場も設けてほしい」などの要望があった。

 東会長は「外国人観光客も増え、道の駅の重要性は増している。奄美大島の核となる場所としてサービス向上を図るとともに、世界遺産登録を視野に、世界に情報を発信するなど全国のモデルとなる道の駅を目指したい」と述べた。

 重点「道の駅」は、国土交通大臣が選定するもので、18年度に全国で選ばれたのは「奄美大島住用」を含め15か所のみ。県内では初めてで、選定されると施設整備やソフト対策などに対し、財政面などで国から手厚い支援を受けることができる。