『奄美群島の水生生物』刊行

「ダイバーやガイドも必見!」
鹿大生物多様性研編集

 鹿児島大学の研究者が取り組む、奄美群島など南西諸島に生息する生物多様性の研究成果をまとめたシリーズ第4弾『奄美群島の水生生物―山から海へ、生き物たちの繋がり―』(南方新社発行)がこのほど、発刊された=写真=。同大生物多様性研究会が編者で、18人が執筆。筆者の一人、同大国際島嶼教育研究センター奄美分室の藤井琢磨特任助教は「身近な水生生物の生態など、新たな発見には驚きの連続。ダイバーやガイドも必見の書」と薦めている。

 本は、奄美群島の動植物などに密着するシリーズ4冊目。今回は奄美の海や渓流で暮らす水生生物に焦点を当てて、成果を報告している。

 本書では、生息環境ごとに分類し、その生物の生業や生き方視点で踏み込んで解説。地元の魚をはじめ、エビやカニ、ヒトデやナマコ、サンゴや藻類など、図版や写真も豊富に掲載した盛りだくさんの一冊に仕上がっている。

 藤井特任助教は「研究者とは思えない愉快なコラムも多く、一般書のように楽しく読める内容」と紹介。「随所に海遊びも盛り込まれており、深く知ることで、生き物探しも更に楽しくなるはず。役立てて」と呼び掛けた。

 本はA5版並製本の2500円(税抜き)、全250㌻。島内書店やアマゾンなどで購入できる。