648人が屋久島寄港利用

648人が屋久島寄港利用

「フェリー波之上」の屋久島寄港は今年3月末までに648人が利用した(提供写真)

1年間実績 旅行商品売込みなど強化へ
「フェリー波之上」

 マルエーフェリー㈱はこのほど、同社の鹿児島航路(鹿児島~奄美群島~沖縄)に就航する「フェリー波之上」(8072㌧、旅客数707人)の屋久島寄港の1年間の就航実績をまとめた。2018年3月4日から今年3月末までに、試験運航で56回寄港し利用者は648人だった。同社は「ツアー利用が想定より少なかった」などと分析し、定期化に向け屋久島に関した旅行商品の売り込みなど強化する方針を示した。

 同社は17年12月に周遊性や利便性の向上を目的に、同船が世界自然遺産登録を目指している「奄美・沖縄」と世界自然遺産に登録されている屋久島の3カ所を巡る航路(上り便限定)を計画。国土交通省の旅客船事業にかかわる特例措置(船旅活性化モデル地区における旅客船事業の運用弾力化)を活用して、18年3月から試験運航を開始していた。

 当初は10日前までに20人の利用者があった場合に寄港する条件だったが、現在は運航の4日前までに1人予約があれば寄港する条件に緩和されている。

 同社によると、同船は年間89回の運航数だが、天候不良や予約人数に達していないなどで試験運航開始から屋久島寄港の実績は56回648人(19年3月末)で1回あたりの利用者数は11・6人だった。

 同社総務部の宮園登玄次長は、「屋久島寄港の利用者が、50人にならないとペイしない。屋久島が冬場は登山できない時期もあり、ツアー客などが想定より少なかった。『どんどん屋久島』など個人向け旅行商品も開発して、販売を開始しているところ。旅行会社などエージェントにも営業活動を強化したい」「来年に奄美の世界自然遺産登録が実現すると、盛り上がるので大いに期待している」などと語った。