県立奄美図書館開館10周年

県立奄美図書館開館10周年

10周年を祝うくす玉や寄せ書きの前で職員と

〝役立つ図書館〟を
館内は祝福ムード

 こども読書週間が全国一斉にスタートした23日、奄美市名瀬の県立奄美図書館が開館10周年を迎えた。本や図書との出会いはもちろん、生涯学習の場、交流の舞台として多くの住民に愛されてきた同館。有村真由美館長は「奄美の人に支えられて10周年を迎えたことは大変な歓び。今後も、ここに来れば日常の疑問を解決できる〝役立つ図書館〟づくりを目指したい」と語った。

 同館は2009年同日、分館から独立して県立図書館として開館。県内に2カ所の県立図書館は全国でも珍しく、建設には約12億円を投じ建てられた。

 同分館で館長を務めた「島尾敏雄記念室」や奄美群島日本復帰の貴重な資料が残る「郷土コーナー」が常設され、4階の渡り廊下を隔てて高校生が行き来できるのも同館の大きな特徴。図書スペースのほか、自由に使える学習室やイベントなどで活用する研修室などを備えている。

 開館当初の蔵書は18万冊で、年間5000冊ペースで本を購入し、現在は約23万冊(開架8万冊、閉架15万冊)。館内ではおはなし会や朗読会、10カ所以上の特設展示などが年間を通して行われ、10年間での来館者は延べ153万人に達している。

 この日は、おはなし会に通う岩﨑奏音=かのん=ちゃん(2)が花束を持って来館するなど、館内は祝福ムード。司書手作りの紬のしおりがあたるくじ引きや、特設展示を楽しむ利用者など、にぎわった。

 職員らは「「今後もさまざまなイベントを行うことで、より多くの方に図書館を知っていただけるように頑張りたい」と決意。有村館長は「奄美の貴重な歴史ある資料を次代にしっかりつなぎ、何よりも暮らしに役立つ図書館を育みたい」と抱負を語った。

 なお今後は、発刊10年になる「10歳の絵本たち」、65歳以上が対象の「音読教室」など、年間を通して周年企画などが行われる予定となっている。