海のレジャー、有毒生物注意

海のレジャー、有毒生物注意

サンゴ礫に付着した猛毒を持つ「ウンバチイソギンチャク」(提供写真)

 

猛毒イソギンチャク
被害発生「むやみにサンゴ触らないで」

 

 奄美群島内でこのほど、複数の地点で猛毒を持つ危険種「ウンバチイソギンチャク」が発見されている。24日には瀬戸内町で漁業者が刺される被害が発生した。海のレジャーが楽しみな大型連休に入ったが、奄美海洋生物研究会の興克樹会長は「刺された痛みで溺れるなどの被害につながる可能性もある。海のレジャーでは極力、肌の露出を避けるべき。擬態しているため、むやみにサンゴなどに触れないように」と注意を呼び掛けている。

 同会などによると、ウンバチイソギンチャクは表面の色や形状が死サンゴに酷似しており、一般の人が見分けることは困難。岩や死んだサンゴなどに付着している。刺されると激痛が走り、急性腎不全などの内臓疾患を伴う場合もある。これまで奄美群島での生息はまれとされており、2004年に奄美市名瀬の大浜海岸礁池、05年に同市住用町の和瀬海岸で1個体ずつが確認されたのみだった。

 今月1日には、徳之島町畔プリンスビーチ海浜公園の沖合約50㍍で死滅した10㍍四方の枝サンゴを覆う大量の同種が確認された。同町などは15~17日に駆除作業を実施。駆除数は3日間で1260個体に上ったという。

 24日には瀬戸内町で漁業者が刺される被害も発生。同町古仁屋の漁業者の男性は同日昼、須子茂離北西で追い込み漁の網の設置中に刺された。男性によると、水深は10㍍程度。網を岩に括り付ける作業中、手をついた先にウンバチイソギンチャクがいたという。

 男性は同日、奄美市名瀬の病院に入院。「電気が走ったようなビリビリという痛み。その後病院で処置を受けるまでは火に焼かれたような痛みが続いた」という。手が握れなくなるほど腫れがあったほか、腎不全の症状もあり、刺されてから丸1日は水を飲んでも尿が出なかったという。男性は27日に退院したものの、「痛みも腫れも残っている」と話す。

 刺された場合、海水で刺胞を洗い流すことが応急処置として有効といい、興会長は「絶対に酢は使用してはいけない。奄美には酢が有効な生物がいないことを知ってほしい」としている。また、「海のレジャー客は増え続けている。今後行政でも海洋生物の被害をまとめるなどしてもらえたら」とも話した。