「シイノトモシビダケ」今年も出現

闇夜にほのかに発光するシイノトモシビダケ(西康範さん撮影)

闇夜の森でほのかに発光
龍郷町・観察の森

 龍郷町長雲の奄美自然観察の森で光るキノコ「シイノトモシビダケ」が、今年も観察されている。奄美市名瀬の西康範さんが27日夜、森の中で淡く発光しているのを撮影した。西さんによると、時期が早いのかまだパラパラと点在していたという。

 同施設では5~8月ごろにかけて朽ちたシイの木や樹齢が古いシイの木に生えるシイノトモシビダケが、夜の自然観察の人気になっている。同種は国内でも限られた地域でしか発見されておらず、奄美大島では同施設内のみとされている。

 大きいものでは高さ、カサの大きさともに2㌢程度に成長するものも。一般的に多いのは、5㍉~1㌢程度のもので、カタツムリなどに食べられたり雨で落ちたりして平均2~3日の間しか観察できないという。

 一日中発光しているが光が弱いため、日中に光る姿を目撃するのは難しいとされる。発光することで虫などをおびき寄せ、自身を食べさせ、フンを媒介に胞子を拡散させるなどの説があるが詳細は不明。

 西さんは毎年、出現する時期になると同施設内に撮影で訪れるという。昼間に生えていそうな場所を下見して、夜にその場所で撮影しているとのこと。西さんは「これから雨が続けば、もっと増えてくるのでないか」と話した。