西郷父子と皆吉家の縁で企画

「奄美黒糖焼酎・西郷南洲の里」を手に全国への販路拡大を目指す皆吉さん

黒糖焼酎「西郷南洲の里」
ミナヨシ代表皆吉さん 販路拡大に意欲

 【東京】奄美黒糖焼酎「西郷南洲の里」を企画販売、促進活動する㈲ミナヨシ代表取締役・皆吉孝夫さんは、奄美出身。「敬天愛人フォーラム21」を主宰する沖永良部出身の内弘志代表世話役が沖永良部の黒糖焼酎一升瓶に「西郷どん」のラベルを貼っておいしそうにいただくのを見て、これだ!と思ったという。なぜなら皆吉家の先祖・庸熙=つねひろ=は西郷隆盛から鉄砲袖のシャツ(肌襦袢)をもらった故事があるのを知っていたからだ。

 時は西南戦争時にさかのぼる。薩摩軍の一員として参戦した隆盛の長子・菊次郎が延岡・和田越えの戦闘で、右足に銃弾を受け膝下を切断。治療を行ったのが医師であった庸煕で、鉄砲袖のシャツは隆盛から直接お礼にいただいたものと伝わっている。

 皆吉さんは、即断即決で商品化に動いた。3年前に物産展などで知り合いの豊食品・豊吉造社長に西郷が潜居していた龍郷町にある奄美大島酒造㈱を紹介してもらい、「西郷隆盛と縁の地」奄美の名水じょうご仕立ての奄美黒糖焼酎「西郷南洲の里」が誕生した。折からの「西郷どん」人気に乗って、奄美空港などで買い求める観光客が多かったという。

 この焼酎のしおりには、西郷菊次郎の紹介メモに「皆吉庸煕」のことが記載され、西郷家と皆吉家のかかわりの一端が分かるようになっている。その一員として皆吉さんは、「沖永良部を知るなら皆吉家。長い時代を経て、先祖とつながる西郷南洲の名前を語って動けるのはとてもありがたい」と熱く語り、関東のみならず関西へも販路拡大に東奔西走している。