西郷隆盛・敬天愛人の会

西郷隆盛・敬天愛人の会

参加者を前にていねいに講演する、落合弘樹さん

 

講演会後、笑顔で記念写真に収まる参加者たち

 

研究者が「遣韓論」を講演
「攻め込む発想、全くなかった」
余興など懇親会も

 

 【東京】「西郷隆盛は、朝鮮を植民地にしようとは決して思っていなかった」。「西郷隆盛・敬天愛人の会」(平山徳廣会長)はこのほど、品川区上大崎の(社)「三州倶楽部」で、「令和元年度講演会・懇親会」を開いた。多くの会員などが参加し、研究者の講演に耳を傾けた。講演会に続いて懇親会があり、余興などで盛況となった。

 「西郷隆盛・敬天愛人の会は、明治維新において中心的役割に身をていした西郷隆盛の信条たる、敬天愛人の精神を養い、広く後世に伝えることを目的として、毎年講演会を開催しております」。そう参加者に笑顔で語り掛ける平山会長に続いて、平成最後の講演会に登壇したのは、幕末・維新史の造詣が深い明治大学教授の落合弘樹さん。

 「『遣韓論』と『征韓』~明治6年政変の背景~」と題して、「明治時代の日朝関係」や「明治時代の西郷隆盛」の状況をていねいに解説。「島津久光の新政府批判と、近衛兵の不満という大きな悩みを抱えていた」と、西郷の置かれていた立場を説明した上で、「西郷は、丸腰で交渉に行くつもりだった。武力より使節の考えだった」などと述べ、「陸軍大将の西郷が軍備を増強し、韓国を攻め込む発想は全くなかった」と結論付けた。落合さんの熱い講演に、参加者たちは熱心に耳を傾け、「遣韓論など、初めて耳にしました」と感心の声が多く聞かれた。

 第2部は懇親会。西郷隆盛家4代目・西郷吉太郎さん、東京奄美会・大江修造会長があいさつ。日立製作所とソニーで専務を務めた牧本次生さんが、郷里の大先輩としてあいさつした。

 また、余興では歌手で常任幹事・鶴丸和大さん、内弘志相談役、歌手の重信洋子さんが自慢の歌声を披露、東京奄美会女性部有志も艶やかな踊りで会を盛り上げていた。