第2回徳之島ごみ問題シンポ

中学生ら発表も交え考えた徳之島のごみ問題シンポジウム=14日夜、徳之島町

「誇れる島、魅力ある島に」
フォーラム登壇 中学生らもアピール

 【徳之島】徳之島愛ランド広域連合主催の第2回「みんなで考える徳之島のごみ処理の明日」シンポジウムが14日夜、徳之島町生涯学習センターであった。生ごみ分別・資源化の先進自治体や紙おむつリサイクル専門家らが基調講演し、町内中学の生徒会と自治会代表が発表。老朽化した徳之島愛ランドクリーンセンターの厳しい現状を知り、ごみ分別の徹底など課題を認識し合った。

 伊仙町西目手久地区にある同ごみ処理施設(稼働17年目、装置寿命20年)の老朽化で諸問題が表面化した中、みんなで改善策を考えて「次の世代により美しい『きゅら島』を引き継ごう」と3月1日の第1回シンポ(伊仙町会場)で開始。第2回徳之島町会場には一般町民や町職員など約160人が参加。この間には、焼却飛灰のダイオキシン類濃度が基準値を超過していた実態も明らかになった。

 広域連合の大久保明副連合長(伊仙町長)は冒頭、「ダイオキシンの解決にはごみの分別・生ごみの分別が大事。世界自然遺産になる島のごみ問題を徹底的に進めよう」。同クリーンセンター施設整備基本構想策定検討委員会の小原幸三委員長(鹿児島大名誉教授)は、諸課題を含め「『誰が悪い』のではなく、島全体が変わるために1人ひとりが変わり、改善策を考え合うことが大事」。ダイオキシン対策など西目手久集落(美山保区長)住民たちの切実な要望も紹介した。

 基調講演には▽日置市の環境カウンセラー久木崎稔さんが「生ごみを宝に変えよう」▽徳之島徳洲会病院の藤田康彦院長と、NIPPON紙おむつリサイクル推進協会の須東亮一会長の両氏が「医療・福祉と家庭ごみを考える」でリンク講演。「地域の声・みんなで考えるフォーラム」には▽亀津中生徒会(平一愛=ちなり=会長・福嶺淳太副会長=いずれも3年生)▽亀津北区の幸多勝弘区長が登壇して日ごろの取り組みを紹介した。

 久木崎氏は〝年間約5億円(ごみ焼却経費)を燃やし〟二酸化炭素を排出していたことを憂慮しつつ「強制的では生ごみ分別、24時間利用可能の回収タルの設置」などで急速に普及できた背景や、地域コミュニティーの形成やごみ再生肥料を地域還元している例なども紹介。背景には「使命・責任・情熱」があることも強調した。

 亀津中生徒会は、登校中のごみ拾い活動で相変わらず多いタバコの吸い殻、缶・ペットボトル類などを指摘。「地域に感謝の気持ちを込めて活動。地元を愛し、誇れる徳之島、魅力ある徳之島にしていきたい」。幸多区長は、分別の不徹底やポイ捨てごみの現状を提起し、「自己中心的な考えを改め、コミュニティー活動を」とも呼び掛けた。

 第3回シンポは天城町で計画するという。