龍郷町で群島議員大会

龍郷町で開かれた奄美群島市町村議会議員大会

町田酒造の中村社長が自社で取り組む働き方改革を講演した

奄振法で持続可能な発展へ
交付金充実・拡充など17項目決議

 第62回奄美群島市町村議会議員大会(同市町村議会議長会主催)が15日、龍郷町の体育・文化センターりゅうゆう館であった。延長された奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)による奄美群島の自立的で持続可能な発展実現と、地方創生による地域の活性化などを宣言。各地域から提出された懸案・推進課題など6議題も採択。「奄美群島振興交付金の充実・拡充」「世界自然遺産登録の推進」など17項目を決議した。

 群島12市町村の議会議員や各首長、地元選出県議など関係者約180人が出席。同議長会の福地元一郎会長(与論町議長)は、「世界自然遺産登録は再推薦された。今後も、群島一体となって取り組んでいこう。奄振法は延長が実現。今後5年間の振興発展に期待したい」と語った。

 竹田泰典・龍郷町長や松本俊一・県大島支庁長、伊集院幼・大島郡町村会長らがあいさつ。永井章義・禧久伸一郎・向井俊夫・壽肇・福司山宣介の5県議が県政報告した。

 大会宣言では、奄美群島振興交付金に伴う各種制度を積極的に活用した産業振興や人材育成、雇用の場の確保。
改正延長された奄振法のもと、群島の自立的・持続可能な発展の実現などを求めた内容が承認された。

 国・県に要望して実現目指す採択議題は▽主要地方道名瀬竜郷線の秋名~大熊バイパス早期着工(龍郷町・喜界町)▽奄美群島における水産業振興の強化(奄美市)▽奄美市住用町役勝~網野子トンネル起点間、勝浦~阿木名間の国道58号の改良促進(大和村・宇検村・瀬戸内町)▽旧亀徳港岸壁の10万㌧級バースへの延伸改修(徳之島町・天城町・伊仙町)▽さとうきびハーベスタ利用助成金の創設(和泊町・知名町・与論町)▽路面電車ルートの鹿児島新港までの延伸(議長会)の6件。

 「奄美群島振興交付金の充実・拡充」「奄美群島成長戦略ビジョンに基づく各種施策の推進」や「世界自然遺産登録の推進」、「情報通信ネットワークの整備・充実」「名瀬測候所の地方気象台格上げ」など17項目を決議して目標意思の統一が図られた。

 研修会では町田酒造㈱の中村安久代表取締役社長が、「『働き方改革』が奄美群島の地方創生推進力に結び付く」と題して講演。中村社長が3年あまりで同社が実践した32の「働き方・働きやすさ改革」の概要をスライド資料で紹介し、「働き方改革を実現することで、有能な人材や新たな仕事、雇用を生むことができた。他社にも一つか二つでも取り入れて、奄美の地方創生に結び付けばいい」と締め括った。

 【自治功労表彰】▽10年以上在籍議員 徳田進(徳之島町)、行沢弘栄(同)、幸千恵子(同)、永田誠(伊仙町)、福留達也(同)、前徹志(同)、明石秀雄(同)▽5年以上在籍事務局職員 大崎一也(大和村)、窪田みゆき(知名町)、川上嘉久(与論町)=敬称略=