奄美市内小学校で体罰

男性教諭が男児を平手打ち
「つねった」と虚偽の報告も

 奄美市の公立小学校で、50代の男性教諭が、5年生の男子児童に対し、物差しで腹を突いたり、ほほや頭を平手でたたく体罰を加えていたことが15日、市教育委員会などへの取材で分かった。教諭は当初、平手でたたいたことを隠し、「つねった」と報告、その後、保護者からの指摘でたたいたことを認めていた。

 市教委や学校によると、教諭は4月23日、理科の授業で、男児が始業チャイムと同時に教室に入ってきたため、授業に遅れたことを指摘、指導したという。しかし、男児がトイレに行っていたことやチャイムと同時に入室したことなどを理由に、遅刻を認めなかったことに腹を立て、約1㍍の物差しで腹を2回突いた。その後も、男児が反省の態度を見せなかったことから廊下に出させて、ほほと頭を平手で1回ずつたたいたという。

 同日の放課後、体罰を見ていた別の児童から報告を受けた校長が、教諭に確認したところ、教諭は体罰を認めた一方、平手でたたいた事実については、「ほほをつねった」と報告。この報告を受け、校長と教諭が同日、男児と保護者に謝罪した。

 学校は連休明けの7日、市教委に体罰について報告したが、9日になって、平手打ちを知った保護者が学校に再度説明を求め、平手打ちの事実が発覚したという。

 学校は10日に改めて、保護者と児童に謝罪、15日、市教委に再報告した。男児と保護者は謝罪を受け入れ、学校にも通常通り登校しているという。

 校長によると、教諭は「感情的になりたたいてしまった。申し訳ないことをしてしまった」などと話しているといい、校長も「体罰を受けた児童には大変申し訳ないことをしてしまった。教職員には、絶対に体罰をしないよう徹底している。男児だけでなく、体罰を見ていた児童も含め、心のケアを心がけていきたい」と話した。

 市教委は、2015年に同市の公立中学1年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、生徒指導の在り方などについて「再発防止対策検討委員会」を設置、協議を始めたばかり。市教委学校教育課は「体罰は絶対にあってはならないことで、とても遺憾。二度と同じ過ちが起きないよう、指導を徹底していきたい」としている。