「夢を生きる賞」九州・沖縄で2位

「夢を生きる賞」の日本南リジョン2位に輝いた前さん(前列中央)と国際ソロプチミスト奄美の会員

母との死別乗り越え、看護師の道へ
奄看専2年の前さん

 女性の地位向上などを目指すボランティア団体「国際ソロプチミスト」の「夢を生きる賞」の日本南リジョン(九州・沖縄)の受賞者20人がこのほど発表され、奄美市名瀬の奄美看護福祉専門学校看護学科2年生・前香織さんが(28)が2位に輝いた。15日、奄美市名瀬のホテルで国際ソロプチミスト奄美(保禮子会長、会員12人)から表彰状が贈られた。母との死別を乗り越え、看護師への道を進む前さんは、「受賞をきっかけに看護師になろうと今までより強く思えた」と語った。

 賞は人生のさまざまな試練に遭遇しながらも乗り越え、新たな人生を切り開こうとしている勇敢な女性を表彰し、賞金を贈るもの。日本南リジョン賞は九州・沖縄の93ソロプチミストから推薦のあった女性の作文を審査し、授与される。前さんは上位10人に贈られるアメリカ連盟賞も同時に受賞した。

 前さんは3歳と7歳の息子たちを徳之島に残し、昨年同校看護学科に入学。寮生活を送りながら週1回帰島。「子どもたちに元気をもらい次の週も頑張る」という。

 そんな中、昨年10月に母・盛友香さんが病気のため死去。入学の際も背中を押してくれた母の最期の言葉「頑張れよ」を胸に失意の中、筆を取った。「母のこと、自分のことを書くことで、母の死を受け入れられると思った。受賞を聞いたとき、最初は信じられなかったが、推薦してくれた先生と抱き合って喜び合った。勉強は大変だが、負けることなく頑張りたい」と話した。

 保会長は「我が事のようにうれしかった。ボランティアとして目に見えた活動がやりがいにもつながる」と語った。