危機言語サミット初開催

4集落代表のトークセッションを開いた

喜界町 4集落住民トークセション 「方言」存続意識高める

 喜界島言語文化保存会(生島常範代表)は26日、喜界町上嘉鉄の同地区振興センターで「危機言語サミット2019」を開いた。島内4集落(上嘉鉄、湾、中里、荒木)の住民パネリストによるトークセッションや島口を使った寸劇やゲームを行いながら、来場者は島の宝としての「方言」の存続意識を高めた。

 ユネスコは2009年、奄美群島の方言など日本の「消滅危機言語」8言語・方言に対し、「将来消滅の危機にある」と発表。それを受け、同保存会は危機的状況にある地域の言葉を残そうと、島口=しまゆむた=の継承活動、住民一人ひとりの意識改革などに取り組んでいる。

 サミットは、これまで積極的に活動している集落を中心に開催。「とー!かたれーろー、しまゆみた(さあ!語りましょう島口)」この日は島内から約100人が参加した。

 トークセッションでは大友照子さん(上嘉鉄)、晴永清道さん(荒木)、得田喜代治さん(中里)、喜禎光弘さん(湾)の4人が登壇。「単語レベルでいいので、子どもに教えるきっかけづくりが必要」「音声保存を検討しては」「個人、集落だけでなく、行政も巻き込むべき」などと提言した。

 またシマ唄「行きゅんにゃ加那」の歌詞を替えた創作歌のほか、「わらび・しまゆみた伝言ゲーム」、民話「桃太郎」を集落ごとの島口語りで違いを披露した。

 会場内は島口が飛び交う雰囲気で、時折、同時通訳での説明も。開催中は終始、和やかな雰囲気で進行した。

 生島代表は方言を普段から使用する環境づくりを強調。「片言でも良いから会話すること。後世に継承するため、問題意識を共有して取り組むことが継承の一歩」と呼び掛けた。

 サミットは今後、集落での輪番開催を予定している。