「イナミズゴーきゅらさん公園」植樹祭

植樹祭に参加した(左から)知名字の吉田区長、環境大臣賞の賞状を持つ児童の2人、今井町長、地域おこし協力隊の勘里さん=知名町=

知名町 コミュニティーの再生願う

 【沖永良部】「町の中心に小さなにぎわいを作りたい」――。知名町知名字で取り組む地域活性化プロジェクトの拠点「イナミズゴーきゅらさん公園」で1日、植樹祭が行われた。地元の児童や関係者ら約90人が参加。昔ながらのコミュニティーの再生を願い、島に自生するシークァーサーの木を植え付けた。

 同字では、町の中心にある稲水川(方言で「イナミズゴー」)公園を拠点とする地域活性化プロジェクト「マチヘソプロジェクト」を進めている。この計画の中で立案した企画「花の島えらぶ香のカレンダー~イナミズゴーきゅらさん公園」が、2018年度第13回「みどり香るまちづくり」企画コンテスト(環境省主催)で最高賞となる環境大臣賞に輝いた。

 5月、公園の整備とともにコンテストの副賞として届いた樹木を植栽。この日が、生まれ変わった公園の初披露となった。

 式典で今井力夫町長は「公園に多くの島民が集い、昔の思い出話を語ったり、観光客と出会ったりする場所になって欲しい」とあいさつ。コンテストを主催した環境省の水・大気環境局大気生活環境室の吉川圭子室長は「島固有の花を活用し、地域の人を巻き込んで企画を作っている。さらに、観光振興や文化を守り伝えていく場にもしたいという発想が光っていた」と評価した。

 参加者を代表して、地元の小学生や公園の維持管理を行う字のメンバーら11人がシークァーサーの木を植え付けた。

 企画作りに関わった同町地域おこし協力隊の勘里絵利奈さん(32)は「コンテストと植樹祭をきっかけにこれからの形が見えてきた。多くの人がプロジェクトに参加してくれたことに感謝したい」と話した。

 同字の吉田末次区長(68)は「この場所を中心に町が発展し、住民のコミュニティーを育む場所となって欲しい」と語った。

 公園のデザインや整備には、奄美群島成長戦略推進交付金事業900万円を活用。公園内には約30種類の樹木が植え付けられている。今後は季節に合わせてエラブユリやフリージアなどの花を植栽し、1年を通して花の香が漂う場所にしていくという。