「コチンダホテル」オープン

「コチンダホテル」オープン

「コチンダホテル」をオープンした町田実彰さん・由紀子さん夫妻=和泊町=

 

島の文化楽しめる場所に
和泊町

 

 【沖永良部】和泊町に新たな宿泊施設「コチンダホテル」が4月、オープンした。沖永良部のシンボルツリー「ガジュマル」と、琉球赤瓦を使った木造の建物が特徴。支配人の町田実彰さん(43)は「沖永良部の文化と自然を多くの人に楽しんでもらいたい」と笑顔で話した。

 町田さんは、祖父の代から続く「観光ホテル東」(前身・東旅館)を、妻の由紀子さん(42)と経営。近年増加しているケイビングやダイビングを楽しむ個人客にターゲットを絞り、新施設を建設した。

 ホテルの名前は、地元の小字名が由来。方言で「フーチビャー」と呼び、漢字にすると「東風平」、標準語で「コチンダ」と読む。

 建物はコの字型になっていて、中央にガジュマルを植栽した中庭がある。客室は、シングルやテラスの付いたテラスダブルなど全12室。「マハダ」や「ピタロー」など、島で獲れる魚の方言名を部屋の名前にした。それぞれ、イソマグロとヨスジフエダイの意。

 ホテル内のテーブルやイスは、和泊町障がい者就労支援施設「さねん」の利用者が手作りしたもの。地元の人にも工事に関わって欲しいという町田さんの思いを形にした。

 5月11、12日には、知人らを招き見学会を開催。ガジュマルのある中庭を通り、客室に入った女性は「きれい」「木のいいにおいがする」と声を上げた。

 町田さんは「ガジュマルが大きくなれば、この中庭に旅行者が集い、コミュニケーションを取る場所になるだろう。ホテルに泊まりながら、島の言葉や文化の違いを感じてほしい」と話した。