アプリ使い配車サービス「CREW」導入開始

握手を交わす(株)Azitの須藤取締役(右)とヨロン島観光協会の永井会長(左)=与論町=

与論町、観光客の移動手段に
運営会社と観光協テープカット

 【沖永良部】アプリを使い自家用車を配車するサービス「CREW」の定常的導入開始イベントが11日、与論町砂美地来館であった。サービスを運営する(株)Azitの須藤信一朗取締役とヨロン島観光協会の永井新孝会長がテープカットを行い、観光振興に向けた新サービスの導入に期待を寄せた。実施期間は12日から10月末まで。

 観光シーズンの移動手段不足の解消を目的に、Azitとヨロン島観光協会が協力。昨年8月、東京以外で初めて実施された1カ月にわたる実証実験を経て、今回のサービス導入に至った。定常的なサービス提供は全国でも初の試み。

 「CREW」は、同社が提供する配車サービスアプリ。利用者が、アプリを起動して発着点を指定すると、事前登録された地元ドライバー(CREWパートナー)が自家用車で迎えに来て目的地まで送り届ける。利用者は、サービスの手数料とガソリン代、任意の謝礼をドライバーに支払う。決済はクレジットカードで行う。

 サービスの提供時間帯は、朝の体験型アクティビティを楽しむための移動手段として観光客の要望が多かった午前5~8時の3時間に設定。CREWパートナーの登録数は9人。

 イベントで同社の須藤取締役は「一人でも多くの観光客の移動をサポートし、再び与論を訪れたいと思えるような体験を提供したい」とあいさつ。

 ヨロン島観光協会の永井会長は「既存の公共交通機関の足りない部分を補い、将来的には高齢者の移動手段にもなってほしい」と語った。

 CREWパートナーによる座談会では、同町在住の本園秀幸さん、田畑香織さん、小高明日香さんの3人が登壇。「観光客が島民と触れ合う良い機会になる」「アプリを経由するので、乗る方と乗せる方の両方が安心して利用できる」などの意見が出た。