過去最少の3499匹

過去最少の3499匹

個体群の存続が危惧される状況のリュウキュウアユ(興克樹さん提供写真)

リュウキュウアユ遡上個体数
保全研究会発表 冬季の海水温の高さ主要因

 奄美リュウキュウアユ保全研究会(四宮明彦会長)が行った奄美大島でのリュウキュウアユの遡上個体数が、調査開始以来で過去最少となる3499匹だったことが分かった。これは同会が先日、鹿児島市の鹿児島大学水産学部で会見して発表したもの。同会は「アユの個体群の存続が危惧される状況として、保全に向けて喫緊の対策が必要である」と訴えている。

 リュウキュウアユは環境省や鹿児島県の絶滅危惧種に指定されていて、野生の個体群は奄美大島のみに分布。沖縄では絶滅してしまい、奄美大島から移植した個体群がダム湖に定着しているという。

 個体数調査は奄美大島でアユの産卵が毎年確認される川内川(奄美市住用町)、住用川(同)、役勝川(同)、河内川(宇検村)の主要な4河川を中心に実施。春季の遡上個体数調査は先月16、17日にかけて行われ、主要4河川の遡上個体数は、▽役勝川=1699▽住用川1710▽川内川=50▽河内川=31―などとなっている。

 調査結果は、遡上個体数が極端に少なく春季個体数調査を開始した2006年以来で最少を記録。同会は「秋の産卵期までの減耗を考慮すると、川内川と河内川では個体群の存続が危惧される状況」と指摘。特に河内川で再生産がうまくいかないと、東シナ海側の個体群全体が消滅してしまう可能性があるという。

 減少要因について、海洋生活期のリュウキュウアユの稚魚などは高水温に対する耐性が低いことが先行研究で示されていて、18~19年の冬季の海水温が高かったことが主要因と考察。また近年増加傾向にあるカワウによる被食の影響も疑われるとしている。

 保全に向けた対策として、▽河川工事の際に、工事期間の順守や濁水対策の徹底▽川内川と河内川の両河川で、今年度の採捕を認めない▽産卵期のカワウの食害防止対策―などを提言する。