市議会一般質問

市議会で、遺族への直接謝罪の意思を示した要田教育長

「直接謝罪、状況見て早急に
中1自殺問題で要田教育長
陸自説明会10~11月めどに開催

 奄美市議会は20日、一般質問を続開、大迫勝史(公明)、橋口耕太郎(公明)、関誠之(社民)、三島照(共産)の4議員が登壇した。同市の中学1年男子生徒=当時(13)=が2015年11月に自殺した問題で、遺族が要田憲雄教育長の直接謝罪を求めていることに対し、要田教育長は「直接伺って謝罪する予定だが、現在のところかなっていない。今後の状況を把握しながら早急に行いたい」と謝罪の意思を示し、自らの責任については「再発防止に向けた取り組みを具体的に進めていくことが責任を果たすことにつながる」と述べた。

 関議員が「昨年12月の第三者調査委員会による報告書で、事実関係は明らかになったにも関わらず、遺族に対して謝罪の言葉がない状況をどのように考えているのか」、「生徒一人の命を失っていることを考えれば、責任の所在について教育長が自ら問うべきではないか」などと追及した。

 さらに、再発防止の取り組みが責任を果たすことになるとした、要田教育長の姿勢に対しては、「再発防止対策検討委員会を立ち上げただけで、本当に責任を果たしたと言えるのか」と疑問視した。

 また、同問題以降も市内の小中学校で教諭による体罰が発生した問題についても追及、要田教育長は「教職員研修会などで繰り返し指導してきたが、こうした事案が発生したことは遺憾。児童生徒に寄り添い、心に届くような指導を徹底するよう厳しく指導していく」などと述べた。

 市内の小中学校の不登校児童生徒数については橋口議員が質問。要田教育長は「18年度は小学校6人、中学校16人、19年度は5月末現在で小学校2人、中学校11人の児童生徒が不登校となっている」と回答。このほか、不登校ではないものの、30日以上の長期欠席者が、18年度は小学校33人、中学校82人、19年度は5月末現在、小学校2人、中学校10人だったことも報告。空き教室の活用などを行い、児童生徒の居場所づくりに取り組んでいることを説明した。

 同市名瀬大熊に開設した陸上自衛隊奄美駐屯地の奄美警備隊の活動や訓練内容などの説明会の開催については、三島議員が質問。朝山毅市長は「防衛省に何度も要請した結果、『10~11月ごろめどに開催したい』という回答があった。『他地域でも(説明会等の)予定があり開催時期が遅れた』という説明だった。詳細については今後協議し、明らかになり次第報告したい」と述べた。

 大迫議員は高齢者の運転免許自主返納の状況について質問。奄美署管内(4市町村)の自主返納者が16年137人、17年144人(奄美市123人)、18年155人(同141人)となっており、65歳以上の免許保有者に占める自主返納率が2%だったことを報告。19年は5月末までに70人が自主返納。高齢者による交通事故の多発などを受け、返納する高齢者が増えている現状を明らかにした。