奄美大島での商材づくりへ

奄美大島での商材づくりへ

エージェントに提案する奄美の担当者

旅行エージェント招待
県大阪・名古屋観光連協
「受け入れのキャパ重視」「文化や歴史をアピール」

関西や中部エリア発の旅行商品づくりにつなげてもらおうと、鹿児島県大阪・名古屋観光連絡協議会(会長・吉松孝二県大阪事務所長)は25日から3日間の日程で、奄美大島に旅行エージェントを招いた視察事業を行っている。初日は奄美市内のホテルで、島内の観光や宿泊、飲食など事業所が参加する施設PR会を開催。エージェント側に旅行プランへの活用に向けた“売り”をアピールした。

関西、中部圏域からの誘客開拓が目的。特に世界自然遺産登録を目指す奄美の魅力を直接現地で伝えようと、今回6社12事業所のエージェントを招待。期間中は島内の自然や観光スポット、ホテル施設など16カ所を視察する予定だ。

PR会では商談方式で奄美の担当者がエージェントと個別で打ち合わせ。奄美側は21事業所が参加。「部屋数やロケーション、周辺立地など」(ホテル)、「定番の鶏飯など島料理メニューの品数」(飲食)、「団体客の移動車両数」(交通)、「南部の様々な魅力」(瀬戸内町内事業所)―など熱意を見せながら説明した。

大島紬村の越間得晴代表取締役は「奄美の自然や伝統文化を伝えることで、観光の流れは生まれる。島内全体で取り組むことが重要」と話した。

エージェント側には、ある程度固めたプランを提示する代理店もおり、実現に向け詳細を確認する場面も見られた。担当者の多くが「受け入れのキャパシティー(許容量)が重要」と指摘。また高齢者向けの商材も近年、需要が高まっているという。

東武トップツアーズ㈱関西支社の松川小太郎さんは「現地に訪れ、金作原などは車両規制やガイド同行などルールがあることを知った。実際に訪れることの意義を痛感している」と話し、今後の商材づくりに関心を寄せていた。

吉松会長は「地元関係者が直接打ち合わせる機会は少ない。(今回の視察は)魅力ある商材づくりにつながるのでは」と述べ、その上で、「奄美の盛り上がりをきっかけに、県全体の観光機運を高めたい。まずは来年の世界自然遺産登録のカードを生かすチャンスを、地元が生かしてもらえたら」と語った。