楽しみながら方言伝える

方言劇の練習をするメンバーら=知名町=

知名町老人ク「小米親和会」平均年齢79歳の5人
「子ども達に伝えていきたい」

 【沖永良部】知名町小米字の老人クラブ「小米親和会」のメンバー5人が、方言劇の制作に取り組んでいる。平均年齢は79歳。メンバー最高齢の田中和夫さん(87)は「方言を話せるのは私たちの年代だけ。島の言葉を子ども達に伝えていきたい」と話した。

 同会では、今年2月に開催された知名町島唄・島ムニ大会で方言劇を初披露。劇を見た住民から次の作品を期待する声が多く、第2弾を企画した。

 劇のタイトルは「ハナシグヮ(可愛い子)」。現在ほど核家族化が進んでいない時代の島の家族を題材に、夫のパワハラや姑のいじめに耐える妻の苦悩と子どもへの愛をメンバーの実体験を織り交ぜて描いた。上演時間は約11分。

 出演するのは、脚本も担当する田中さんを筆頭に、前田綾子さん(81)、長谷川博子さん(80)、平山秀子さん(73)、滝川和子さん(74)の5人。

 今月8日、メンバー全員が同町小米防災センターに集まり練習を行った。

 「アマー ワンチュイウチュチ イキムディナー」(お母さん、私一人をおいて行かないで)。

 「ワーハナシグヮー  カラダネキーチキティ ウードフディリヨー」(可愛い我が子よ、体に気をつけていい子になるんだよ)。

 台本には、方言とその標準語訳が付けられている。ナレーション以外の全てのセリフが方言だ。

 この日の練習では、台本の読み合わせをした後に通し稽古を行い、演技やセリフの言い回しを確認した。

 田中さんは「みんなで楽しくやれば健康にもいいし、セリフを覚えるのは老化防止にもなる。劇が完成したらいろいろな場所で披露したい」と笑顔で語った。