奄美市農業研修生

1年間の農業研修を終え、朝山市長から修了証書を受け取る研修生

奄美の農業支える農家に
2人が修了、1人が入所 研修期間2年間に延長

 奄美市農業研修生の修了式と入所式が1日、市役所であり、同市の農業研修センターで1年間、農業技術などを学んだ2018年度修了生2人に修了証書を授与、新たな農業担い手としてこれから2年間の農業研修を行う新研修生1人が紹介された。

 修了証書を受け取ったのは名瀬有屋町の田中幹雄さん(41)と名瀬古田町の武井悠起さん(34)。田中さんは14年ほど前に東京からIターン、昨年まで会社員をしていたが、「奄美の特産品を自らの手で作りたい」と、タンカン農家を目指し研修に励んできた。今後は、同市名瀬浦上でタンカン栽培を行う計画で、「一日も早く農家として自立し、タンカンづくりを通して奄美の魅力を島外に発信していきたい」と意欲を語った。

 武井さんは、福祉施設で障がい者の就労支援として農作業を紹介する仕事などを通し、農業の魅力を感じるようになり、昨年同センターの門をくぐった。今後は名瀬朝戸などでパッションフルーツとカボチャ、実エンドウの栽培を手掛ける予定で、「将来は、障がいのある人たちの就労支援の場になるような農業を目指していきたい」と抱負を語った。

 朝山毅市長は「1年間という短い期間だったが、農業の知識や技術を習得したと思う。奄美の農業を支える農家に成長してほしい」と激励した。

 新たに研修生となったのは、6月に山形市からIターンで同市笠利町節田に移住した星野芳彰さん(39)。福島県出身の星野さんは、農業経験はないが、熱帯果樹に興味があり、「奄美大島で農業をしようと考えた」と言い、「しっかりと農業の技術や知識を学び、パッションフルーツやアセロラなどいろんなトロピカルフルーツを栽培してみたい。観光果樹園にも挑戦してみたい」と話した。

 市農林水産課によると、農業研修の修了生は2人を含め延べ37人。これまで1年間だった研修期間は、今年度から2年間に延長された。