市民農園「ゆいゆい農園」

天城町市民農園「ゆいゆい農園」開園セレモニー=6日、天城町農業センター内
野菜づくりを楽しむ非農家の仲間たち=6日、「ゆいゆい農園」

土に親しみ、農業理解を
天城町農業センターに設置

 【徳之島】「土に触れて農業を理解し、成果(収穫)も楽しんで」―。転勤族など非農家の個人やグループを対象にした天城町市民農園「ゆいゆい農園」の開園式(町主催)が6日、同町農業センター(瀬滝)であった。「自分を変える場にしたい。ふれあいを大切に、仲間と鍋パーティーも開きたい」などと声を弾ませた。

 同町農業センター内の小面積(1区画20平方㍍の露地)を年間3千円で貸与。野菜や草花などの栽培を通して土に親しみ、農業に理解を深めてもらうのが目的。2019年度町農政の新規施策の一つで実質的には5月に開設済み。6日現在、7人(組)が利用中だ。

 同町農業センター(瀬川裕美所長)では、花き・園芸品目の農業技術研修生(修了期間1年)を受け入れて就農支援(修了者約80人)。その傍ら町内外の一般対象の「農業塾」(年間6回・計11テーマ)と、品目別の栽培技術セミナー(5品目、各5回)も毎年開講。そして、今年度追加の「ゆいゆい農園」でも要望に応じて同センター職員が栽培指導を実施。クワやスコップ、小型噴霧器なども貸与している(肥料や農薬など資材実費は利用者負担)。

 開園式には、関係機関と利用者家族やグループが参加した。森田弘光町長は「土や花に触れながら、台風時の苦労も含めて農業に理解を深め、成果を楽しんで」。県徳之島事務所の末永利夫農業普及課長の祝辞に続き利用者を代表、町内の小学校教諭・児玉明子さん(45)が「仕事と家の往復だけでなく自分を変える場に。今まで栽培したことのない野菜もつくり、ふれあいを大切に仲間たちと鍋パーティーも開きたい」とあいさつ。テープカットした。

 同センターによると「市民(住民)農園」は全国に約2900例(本県26例)あり、その多くは市町村が管理・運営。公的な農業指導施設内への設置例は珍しいという。