奄美駐屯地内 即応機動連隊が演習

奄美駐屯地内 即応機動連隊が演習

背後の中SAMを防護する配置訓練を公開した即応機動連隊(奄美駐屯地内)

ミサイル車両の防護展開

陸上自衛隊第6師団(司令部・山形県東根市)は13日、奄美市名瀬の陸自奄美駐屯地内で2019年度「協同転地演習」に伴う各種訓練を実施した。同駐屯地に配備された中距離地対空誘導ミサイル(=中SAM)の防護活動を隊員約40人が展開。南西地域での防衛態勢を向上させる狙いがある。今年3月に開設した同駐屯地での対外的な合同訓練は初めて。

奄美での演習は、同師団に属する「第22即応機動連隊」(宮城県多賀城市、隊員約1千人)が実施。隊員100人、重装甲車「96式装輪装甲車」や輸送トラックなど車両30台が多賀城駐屯地から陸・海路を移動し、12日に奄美大島入りした。

13日は、同駐屯地に配備された中SAMの運用部隊との協同訓練を報道陣に公開。中SAMの周囲に重装甲車4台が移動して、車両内部から小銃を携帯した隊員が1台当たり5人を配置する基本的な防戦行動を取った。

同連隊長兼多賀城駐屯地司令の大場智覚=ともあき=1等陸佐は部隊として初めての長距離移動による演習に「機動力をさらに高め、抑止力と対処力の向上につなげたい」と抱負。16日まで滞在し、他部隊との連携確認など各種訓練を行う方針を語った。

同連隊は今年3月26日に新編。16式機動戦闘車など装甲車や多彩な火器など装備し、即応性と機動力を高めた部隊として注目される。一部報道などによると、東アジアの安全保障上の情勢を見据え、有事対処や離島奪還などの作戦を担うとの見方もある。