未解決のまま1カ月

現場となった自宅は今もブルーシートで覆われ規制線が張られたままとなっている

小俣町殺人事件 長期化懸念、「やはり怖い」
県警、情報提供呼び掛け

 奄美市名瀬小俣町の無職・瀧田得枝さん(87)が自宅で殺害された事件は16日、発覚から未解決のまま1カ月が経過した。県警は奄美署に捜査本部を設置し周辺への聞き込みや証拠品の捜索などを続けているが、未だ大きな手掛かりはない。長期化も懸念される中、県警は住民に情報の提供を呼び掛けている。

 1カ月がたった今も犯人逮捕には至らず、周辺住民の不安は募るばかりだ。現場付近の住民は「戸締まりをしても特に夜は怖い。犯人が捕まらないと安心できない」「犯人がどんな人なのか、周りにいるのかも分からない。やっぱり怖い」など、不安な日が続いている。

 小俣町自治会(605世帯、約1100人)の柏原禎賢会長は「自治会としても対策など呼び掛けたいが、我々も警察に頼ることしかできない身。捜査の邪魔になるといけないので控えている」とし、「住民の不安も感じており、一日も早い解決を願っている。犯人に言葉が届くなら、自首するなど名乗り出てほしい」と訴えた。

 事件は6月16日午後8時ごろ、瀧田さんと連絡が取れないため安否確認に訪れた親族が、寝室で血を流し倒れている瀧田さんを発見し発覚。捜査関係者によると、瀧田さんは一人暮らしで、遺体には刃物のようなもので腹部を複数回刺されたような傷があったというが、凶器は見つかっていない。

 死因は、出血性ショック死と見られており、死亡推定時刻は、13日夕から15日ごろと推定。14日午前に買い物をする瀧田さんを目撃したとの情報もあるが、捜査の関係上から断定は控えている。

 捜査本部は今後も80人態勢を維持し捜査を継続。盗みや怨恨など絞らずに広く捜査を進め、犯人像の特定や寄せられた情報の精査などを急いでいく。

 なお、地域の不安が広がる中、県警は事件の解決に結び付けようと、広く情報提供を求めている。情報提供は、奄美署電話0997―53―0110まで。