奄美野鳥の会 マングローブ観察会

NPO法人奄美野鳥の会会員らが案内のもとマングローブにすむ生きものを探す参加者ら

「自然守る一歩につながれば」
損保ジャパンの事業の一環で

 NPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)が実施する自然観察会「マングローブの生き物を観察しよう」が28日、奄美市住用町のマングローブであった。親子連れなど約120人が参加。マングローブを形成する植物やカニ類を見学し環境保全に対する意識を高めた。終了後、鳥飼会長は「今回は特に初めて参加する人が多かった。奄美の自然の豊かさを知ることで、自然を守る一歩につながれば」と語った。

 同観察会は損保ジャパン日本興亜㈱が2011年から行う「SAVE JAPANプロジェクト」の一環。同社は自動車保険などの契約時に、顧客がWeb証券・約款を利用した場合や、自動車修理時にリサイクル部品などを活用することで生まれる余剰金を全国各地のNPO法人に寄付。各地のNPO法人と協働で生物多様性保全に関する活動を実施。これまで全国で約800回イベントを開き、延べ4万2千人程度が参加したという。

 奄美での同プロジェクトによるイベント開催は今回が初めて。観察会に先立ち、同社鹿児島支店の田添誠奄美大島支社長は「今後、奄美の自然に興味を持ってもらうきっかけとなり、自然環境を次世代に引き継ぎたい」とあいさつした。

 観察会はA~Cの3グループに分かれ、それぞれ野鳥の会の会員らが案内。B班を担当した奄美群島認定エコツアーガイドでもある越間茂雄さん(53)は、マングローブを形成するオヒルギ、メヒルギなどの植物や、ミナミコメツキガニやオキナワハクセンシオマネキ、南トビハゼなど干潟特有の動物を解説。参加者らは興味津々で説明を聞き、じっくりと観察した。また、裸足で歩き、泥の感触を楽しむ姿も見られた。

 大阪から来た濱口よしのさん(8)は、同市住用町に住む祖父・和弘さん(72)らと一緒に参加し、「ハゼを捕まえることもできた。裸足で泥に入るのは少し気持ち悪かったけど、楽しかった」。和弘さんは「初めて自然観察会に参加した。写真より、実物を見た方が大きさや生態が良くわかる。普段近くにある自然だが、見る目が変わった」と話した。