白糖工場研究で出前授業

白糖工場研究で出前授業

久慈の白糖工場に関して、小中学生を前に説明する奥村さん

古仁屋高・奥村さん 遺跡活用の地域振興も
瀬戸内町篠川小中

 瀬戸内町の篠川小中学校(中原誠校長、全校児童生徒18人)は1日、県立古仁屋高校の3年生・奥村芽生さん(18)を講師とした出前授業を行った。奥村さんは「日本スイーツの聖地~よみがえる奄美大島白糖製造工場~」をテーマに講演。同町久慈の白糖工場跡の歴史を説明し、遺跡を活用した地域振興について話した。

 古仁屋高校は昨年度から有志の生徒たちによる白糖工場跡の調査研究を実施。今年2月に鹿児島市であった「維新未来博」の高校生テーマ研究発表では、奥村さんら4人が登壇し、最優秀賞に輝いた。昨年度から町内の小中学校からの要望を受け出前授業を行っており、今回が3回目となった。

 奥村さんは白糖工場の歴史的価値や、工場に使われていたレンガが現在も学校の塀や、花壇に使用されていることを紹介。その後、「日本で最初に稼働した近代的な白糖工場。世界自然遺産並みの観光資源」とし、周知方法として昨年度実施した小学生向けのバスツアーを例示した。

 今年度、県教委の「地域創生人材育成プロジェクト」として、バスツアーを観光商品化する方針なども説明。参加した保護者らから挙がった、「研究を進めて町に対する意識は変わったか」との質問に対し、奥村さんは「ずっと住んでいても調べる前は知らなかった。町内には文化や遺跡などがたくさんあるので、研究を進め、子ども達に知ってもらいたい」と語った。

 受講した中3の林誠輝くん(15)は「白糖工場について、聞いたことはあったが、重要なものだと知りびっくりした。聞く前より、興味がわいたので、機会があれば行ってみたい」と話した。