大島紬使って「奄美ウエア」製作へ

奄美ウエアの製作について意見交換した関係者ら

来年1月の紬デーに試作発表
伝統工芸士会・意見交換会

 本場奄美大島紬伝統工芸士会(南愛子会長、58人)は7日、奄美市名瀬の市産業支援センターで本場大島紬を使った「奄美ウエア」の開発に向けた意見交換会を行った。沖縄の「かりゆしウエア」を参考に、伝統的な龍郷柄などを活用し、「はおる」「まとう」をテーマにした衣類を製作、来年1月の「すきすき紬デー」(毎月15日)の着用開始を目指すことなどを決定。大島紬を使って奄美らしさを演出、新たな着衣の提案、浸透を図る。

 同工芸士会は、奄美群島広域事務組合の民間チャレンジ支援事業を活用、奄美ウエアの開発に取り組んでいる。この日は、奄美市や龍郷町、本場奄美大島紬協同組合、奄美大島商工会議所などの関係者12人が集まり、奄美ウエアの定義や製作方法などについて意見交換した。

 本場大島紬は、和服の需要低迷などから販売不振が続いており、新たな販路開拓などが求められている。同工芸士会は、気楽に着用でき、着心地の良さなど大島紬の魅力を生かした新たな衣類を提案することで、需要拡大を狙っている。

 意見交換会では、大島紬を使った羽織りや紬柄がプリントされたシャツなど既存の衣類を参考に、奄美ウエアの開発方針などについて協議した。出席者からは「プリント柄は本物ではない」などの意見があり、奄美ウエアの定義として、「ワンポイントなど、必ず衣類の一部に大島紬を使ったものとする」こととし、デザインなどについては、今後、島内の縫製業者などと相談しながら決めていくこととした。

 10月をめどに試作品のデザインなどを決定、11月末には試作品約30着を製作、島内の行政機関や銀行、ホテルなどに協力要請し、1月15日から窓口業務などを行う職員に着用してもらい、報道機関などで発表。ネーミングなどについても広く意見を聞いていく。

 同工芸士会の南会長は「地元の人たちに気軽に着てもらえるものを目指したい。奄美ウエアを着た人たちが増えることで、観光客の目にも止まり、ウエアが自然と奄美らしさを醸し出すようになればうれしい」と話した。