防犯教室

防犯教室
さすまたを使い奄美署員が扮する不審者を取り押さえる教員ら
不審者への対応など学ぶ
教職員らさすまた使い制圧

 学校に侵入した不審者への対応などを学ぶ学校防犯教室が9日、奄美市の名瀬小学校などであり、奄美大島の小中学校の教員ら約50人が参加した。奄美署の署員が扮する不審者が学校に侵入したと想定、刃物を持った相手をさすまたを使って取り押さえるなど、本番さながらの訓練を行った。

 名瀬小では不審者対応の実地訓練が行われ、授業中に教室に入ろうとする不審者を排除する訓練を行った。教員らは5人一組で対応、「子どもたちの勉強の様子を見に来た。中に入れろ」などと要求する不審者に、担任役の教員が、「学校の許可ないと入れません。職員室で許可を取ってください」などと話し、不審者が教室に入ろうとするのを阻止し応援を要請した。

 駆け付けた教員4人が学校の外に出るよう説得したが、応じず刃物を取り出し暴れだした不審者をさすまたなどを使って取り押さえた。

 初めてさすまたを使って取り押さえる訓練に参加した奄美市立笠利小の田原美佳教諭は「どの状況でさすまたを持ちだしたらよいか判断するのが難しい。実際に不審者が現れたら冷静に対応できるか不安はあるが、訓練したことを生かせるようにしたい」と話し、同市立宇宿小の赤石裕樹教諭も「相手を刺激しすぎないよう言葉を選びながら対応する難しさを感じた。不審者との距離の取り方などとても勉強になった」と話していた。

 同教室は、県大島教育事務所の主催で、奄美市や龍郷、瀬戸内、大和、宇検の5市町村の教職員らが参(大島支庁内)で講話があり、県警のまとめで、昨年393件の声掛け事案が発生していることなどの報告もあった。また、高知県教委学校安全対策課の吉門直子企画監が学校の安全対策などについて講演。登下校の防犯対策や地域の見守り活動の重要性などを呼び掛けた。