住用町市集落で稲刈り

鎌を使って稲刈りをする参加者ら

手作業で収獲に汗
住民や小中学生ら参加

 奄美市住用町の市集落で11日、稲刈りがあり、地域住民や小中学生ら約30人が参加、時折、激しい雨に見舞われながらも、鎌を手に、手作業で収穫に汗を流した。

 同集落の有志でつくる「市に田んぼ復活させよう会」(中村隼人会長)が地域に稲作風景を復活させようと開いた。同会は2017年に発足、今年で稲作3年目となる。集落住民から約6㌃の水田を借り受け、今年4月にうるち米(5㌃)ともち米(1㌃)の苗を田植えした。

 中村会長(44)によると、同集落では20年ほど前まで、稲作が行われていたが、高齢化などから水田の維持が困難となり、田植えや稲刈りの風景も見られなくなってしまっていた。地域活性化の一環として同会が稲作を復活させた。

 梅雨の長雨の影響などから、昨年より若干、収量が減る見込みだが、中村会長は「集落民や子どもたちが楽しく稲づくりをするのが一番。田んぼのある風景をこれからも守り続けていきたい」と話した。

 今年初めて、稲づくりに参加した市小学校6年、谷口天太くん(11)は「田んぼの中はぬるっとしていて、最初は気持ち悪く感じたけど、慣れたら気持ちいい。稲刈りも鎌で刈った時のザクっという感触がとても気持ちよかった」と笑顔、同小3年の中村海莉さん(9)も「稲刈りはみんなと一緒にできるのが楽しい。作ったお米を食べるのも楽しみ」と話した。

 同会では来年も稲作を行う予定で、中村会長は「来年は黒米も栽培し、稲穂で田んぼに文字や絵を描く、水田アートにも挑戦したい」と話した。